新日本プロレスで活躍する人気レスラーの本間朋晃(49)が、ラストマッチに秘める思いを明かした。4日に現役引退を表明し、来年開催の山形大会(日程・会場未定)で引退試合を行う本間は盟友・真壁刀義と最後の共闘を熱望。首の大ケガから奇跡の復活を遂げた男が、誰よりも愛したリングを去る決断をした舞台裏、そして引退後の青写真とは――。

 古傷の首の悪化により欠場が続いていた本間は4日に地元・山形で行われた大会でリングに上がり、現役引退を表明した。2018年6月に中心性頸髄損傷から奇跡の復活を遂げたものの、パフォーマンスに納得できない日々が続いた。今年5月に受けた検査で頸椎の骨が大きく変形していたことが判明し、リングに上がる危険度が高まっていたことも決断の大きな要因となった。

 本間は取材に「僕はデビュー当初はプロレスラーとして『太く短く』が信念というか目標だったんです。でも、今は細く細く細~くてもいいから、長~く生きたかったなって思うんです。本当にプロレスが大好きでした」と胸中を告白。無念の思いを抱えながらもリングを去る決心の裏には、長期欠場中から支え続けてくれた妻・千恵さんの存在があった。

2018年の結婚公表後も、本間朋晃(右)をしっかり支えた妻・千恵さん
2018年の結婚公表後も、本間朋晃(右)をしっかり支えた妻・千恵さん

「『元気なうちに終われて良かったんじゃない?』って言ってくれましたね。『この先も長いんだし、やれることやっていこうよ』って。僕一人で決められることじゃなかったですから、決断を後押ししてもらいました。本当は5歳の娘が、もう少しはっきりプロレスというものが分かるくらいまで頑張りたかったんですけど…。そこは家庭円満で埋めたいです」と振り返った。

 引退試合に関しては未定な部分が多い。ただ心に決めていることが一つだけある。「やっぱり僕の歴史の中で欠かせない真壁さんと組んでやりたいですね」と、07年2月の「G.B.H」加入から20年近くも共闘してきた盟友とのラストタッグ結成を希望した。

 真壁に出会わなければ、こんなにも長く現役を続けることはなかった。「組み始めた時に『テメーの自己満足みたいな試合しやがって』ってぶん殴られたこともあるんですけど、あれで僕は変わったんです。真壁さんにプロレスの奥深さというか楽しさを教えてもらいました」。

 本間の思いを伝え聞いた真壁も「当たり前だろ。ただ引退試合となったら、今まで九分九厘、俺が出て戦ってきたけど、8―2でお前にやらせるからなって。ボロぞうきんになっても、そこから立ち上がる勇気をファンの連中に見せつけてみなって」と呼応した。

2015年、WTL初制覇に男泣きの本間朋晃(右)と、笑顔の真壁刀義
2015年、WTL初制覇に男泣きの本間朋晃(右)と、笑顔の真壁刀義

 引退後については未定で、本間自身は「タレント活動? プロレスラーとしてのお呼ばれだったんで…一般の声がガサガサの人が呼ばれるのかなって。ただ、プロレスで元気を伝えたいというのが僕のモットーだったので。こけしではなくなるかもしれないけど、何かの形でハッピーを与えられることをやりたいですね」と引退試合までの約1年間で熟考する意向だ。

 波乱万丈なプロレス人生に「楽しかったし、本当に幸せな30年でした」と胸を張った本間は、間違いなくファンの記憶にいつまでも残る名レスラーだ。