【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(19)】2000年5月1日、16人参加の無差別級トーナメント「PRIDE GRANDPRIX 2000」2回戦でホイス・グレイシー(ブラジル)と対戦しました。

 SAKUマシンのマスクで入場したのは、この時が初めて。向こうが何人も連なって「グレイシートレイン」で入場するので、それに対抗してプロレスで何人も出てくるのはスーパー・ストロング・マシンしかないだろうというのがきっかけでした。新日本プロレスに「使っていいですか?」って断って許可をもらってやったんですよ。

 本当は5~6人でやりたかったけど、松井大二郎と豊永稔しかいなかったから3人が時間差で出てきて…。ただ、今考えても5人くらいいた方がマシン軍団っぽくて面白かったですよね。悔しい~。で、その後アントニオ猪木さんが花束を手に「誰に渡せばいいの?」と聞いてきたので、ヤベーと思いつつ「3人でお願いします」と答えて受け取りました。

 試合は、絶対に向こうが速攻を仕掛けてくると思ってたんですよ。「無制限ラウンドだ!」とか言ってるけど、向こうは絶対優勝したいからスタミナを温存したいはずだと。それを分かっていたから序盤はスタミナを使い過ぎないように受けて流して戦いました。だって向こうは道着を着ていて、こちらは上半身は裸なんですよ。道着を着ている方が暑いから消耗するのは分かり切ってるじゃないですか。だからローを何度も蹴って、そこからいかなかった。

座るホイス(右)にローキックを放つ
座るホイス(右)にローキックを放つ
ホイスの帯をつかんでひっくり返し、顔面への打撃につなげた
ホイスの帯をつかんでひっくり返し、顔面への打撃につなげた

 そんな中、1ラウンド(R)終盤にはアームロックの形になったけど道着でポイントがずれて決まらないから取りあえず時間を潰したんです。この時、リング下に顔見知りのカメラマンさんがいるのを見つけて視線を送ったら、それが大型ビジョンに映されて「笑っている!!」みたいになっちゃったのには参りましたけど(笑い)。

 この速攻を許さない作戦で2R目ぐらいから向こうが「あれ?」って思っている感じはしました。僕はまだ「いいや、流しとけ」って感じで、相手が疲れるまで作戦を続行し、ローを蹴ってました。ミドルとかハイは疲れるからローです。5R目からホイスが明らかに嫌がっているなっていうのは感じましたね。

 そのラウンドで横になっているホイスの帯をつかんで持ち上げてひっくり返して顔面を殴ったんです。戦前から〝道着は使えるな〟って思っていたんですよ。ルールに「使っていい」と書いてあったんで。だからズボンをヒザまで脱がせて動けなくしようと。ズボンも道着。脱がせたらダメなんて書いてなかったし。実現しなかったけど、やったらどうなってましたかね…。

 そうしていると試合は6Rに突入。このラウンドで試合は決着することになります。

 

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