【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(15)】米ロサンゼルスへの出稽古から帰ってきた1998年6月「PRIDE.3」でカーロス・ニュートン(カナダ)と対戦しました。
ニュートンはとにかく体が柔らかかったですね。腕十字の体勢になってヒジが「バキバキ」って鳴ったのにタップしなかったですから。それで「大丈夫?」って聞いたけど、ニュートンは「OK、OK」って。まあ試合後、そのヒジもアイシングしていたから「やっぱ痛かったんじゃん!」って思いましたけど。
最後はヒザ十字で決めたんですよね(2ラウンド5分19秒)。脚は手より器用じゃないから抜けないんです。でも今思うと、腕十字ももっと脚でガッチリ捕まえなきゃいけなかった。そこを捕まえ切れてないから抜かれたんですよね。それで背後に回ったら、目の前に脚があったから「ラッキー」って感じでした。
その後ニュートンって、カナダ人初のUFC世界王者になってるんですか? ウエルター級で…。知らなかった(笑い)。それで思い出したんですけど、そういうことがあるからダナ・ホワイト(※)もくれたみたいなんですよね。UFCの殿堂を。2017年に表彰された時「UFCは日本の大会に1回出ただけなのに殿堂入りなの?」って聞いたら、ダナ・ホワイトから「ニュートンだったり、ケビン・ランデルマンだったり、クイントン・〝ランペイジ〟・ジャクソンだったり、ほかにもたくさんUFCでチャンピオンになるヤツからことごとく一本を取ってきたからだよ」って言われたんです。UFCにほぼ出ていないのに殿堂入りって、めちゃくちゃ「おいしい」じゃないですか。彼らがその後に頑張ったから殿堂入りできたんで、ありがたいですよ。
話を戻しましょうか。続いて10月の「PRIDE.4」で対戦したアラン・ゴエス(ブラジル)では全くペースが握れませんでした。腕のクラッチは手がデカくて離れないし、打撃にも全く乗ってこない。「どうしよう」って思っていたらそのままアイツのペースで終わって10分3ラウンド時間切れ引き分け。悔しくて試合後には泣いてしまいました…。
やっぱり「一本を取りたい」っていうのがありますから。一本を取ったら相手は何も文句を言えないじゃないですか。97年12月の「UFC Japan」からニュートン戦まで自分のペースで試合ができていたから、このときは本当に悔しかった。同じ大会で高田(延彦)さんがヒクソン・グレイシーと再戦してるんですけど、試合前は自分の戦いに集中していたし、試合後はショックで記憶にないんですよね。とにかくそれくらい落ち込みました。
99年もPRIDEに参戦。この年もいろんなことがありました…。
※米総合格闘技団体「UFC」の代表














