【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(13)】 1997年12月21日、総合格闘技イベント「UFC Japan」のヘビー級トーナメントに参戦。1回戦でマーカス・コナンと対戦するも誤審で無効試合となり、その後の決勝で再戦することになりました。
決勝は1ラウンド3分44秒で決着しました。グラウンドの攻防で僕が上になってサイドポジションを狙いにいったら、嫌がったコナンが腕を伸ばして押してディフェンスしようとしてきたんです。だからその腕に体重を乗せてプレッシャーをかけました。
その瞬間が2分…いや3分くらいに感じられました。ここは殴った方がいいのか? いや、相手の腕が伸びているから腕十字の方がいいよな。でもそれをスカされたら…って考えて。よく「今までのことが走馬灯のようによみがえった」と言うじゃないですか。今思うと、ああいう感じなのかもしれないなって…。
その結果「いいや! 腕十字でいいや!」って思ったのをすごく覚えてますよ。結果はそのまま一本。腕十字固めで勝利できました。勝った瞬間は「ほら見たことか!」ですよ。やっぱり最初は誤審だっただろ!ってことですよ。
その試合後、僕は「プロレスラーは本当は強いんです!」と叫んでいました。別にもともと考えていた言葉じゃないんです。だけど当時、雑誌とかで「プロレスは弱い」とかよく載っていたんですよ。だから「いやいやプロレスは強いんですよ」って言ったんです。要は〝ちゃんと練習してるヤツは強い〟っていう思いだったんです。プロレスラーには弱い人もいるけど、強い人もいますよって。キングダムの人たちはみんな練習してたから、みんな決して弱くなかったんです。
こうして「やられたらキングダムは終わる」という覚悟で臨んだ試合に勝ったんですが、結局98年1月がキングダムの最終興行になりました。それと同時に僕は高田道場に移籍することになります。その試合後の忘年会か新年会だったか忘れちゃいましたけど、移動する時に高田(延彦)さんに「サクと安達(巧)はこっちに乗って」って、タクシーに同乗するように言われて、そこで「新しい道場をつくるから来ないか」って誘いを受けたんです。
その時はどうしようかなと思っていました。その後、安達さんに相談したんですよ。そしたら安達さんが「俺はあっちに行こうと思う」って言うから「じゃあ僕も行きます」ってなって、高田道場に移籍することにしました。
その後、キングダムの関係者に「辞めます」って伝えたんです。さすがに驚いてはいたけど、受け入れてもらいました。給料を払えていない以上、止めようがなかったんだと思います。














