【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(9)】1995年10月9日にUWFインターと新日本プロレスの対抗戦が東京ドームで行われることが決定したことが全選手に伝えられました。僕は「もしかしたら長州力さんと試合できるかもしれない」と喜んでたんですけど、なんだか周囲はピリピリしていて異様な雰囲気になっていました。結局、対抗戦の第1試合で金原弘光さんと組んで石澤常光さん、永田裕志さんと対戦することになりました。
金原さんは気合が十分で「桜庭、入れちゃえ、入れちゃえ」って何度も不穏なことを言っていました。むしろ石澤さんと永田さんは2人ともレスリングの有力選手。大学時代からあいさつを交わすくらいだったんで中央大卒業後に会うことはなかったけど、2人が新日本プロレスに行ったのは知っていましたし、向こうも僕がUインターに入ったのは知っていたから不思議な感覚はなかったですよ。だから試合は「お久しぶりです」みたいな感じで「元気でやってるんだな」って思いました。
そういえば、会場では藤田和之にも会いましたね。藤田もレスリングをやっていて顔見知りだったんです。あの日、藤田はスーツを着て選手の案内していました。お互いに目は合ったんですが、仕事中ということで会話を交わすことはありませんでした。
当日の高田さんの雰囲気? ほとんど記憶にないんですよね…。武藤敬司さんとの試合は控室で片付けをしながらモニターで見ていたと思います。試合の印象は「4の字か…」って感じで「3カウントじゃないんだ」っていう。
この日以降、対抗戦に出場することが多くなって、新日本のみならずWARや東京プロレスの選手とも戦うようになりました。僕には仕事だったけど楽しんではいましたよ。だって「UWF」っていうと技が限られちゃうじゃないですか。それがプロレスだったらいろんなバリエーションが出てくる。Uインターではありえない試合を楽しんでいました。特に高岩竜一さんにされたなんとかバレーなんちゃら(デスバレーボム)とかメチャクチャ痛かったけど、面白かったです。
長州力さんと試合はできなかったけどトイレで会いましたよ。僕が用を足していたら後から長州さんが来て「お疲れさまです」って言ったら「お前レスリングやってたんだろ、どこだ?」って聞かれたんです。それで「秋田商業です」って言ったら「お前、茂木のとこか!」って。秋田商業のレスリング部で監督だった茂木勝先生って、長州さんと同期で国体とかの決勝でよく当たっていたらしいんですよね。
その後、僕らはUインターから新団体「キングダム」に移ることになります。その時は…。














