【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(33)】2006年大みそか、僕はHERO’Sの「ライトヘビー級トーナメント」で優勝した秋山成勲選手と対戦しました。この試合は後に彼が体に大量のオイルを塗っていることが分かり大問題になります。実は試合前にスタッフから「前に試合した外国人が何人か『滑る』って言ってましたよ」とか「柔道のころから『滑る』って言われていたから、気を付けてください」とか言われていたんです。だけど「まさか全国放送の試合でそんなことするわけないでしょ」と思っていました。
そして実際、タックル入ったら全く捕まえられない。ピンポイントで入ってるのにとにかく滑るんです。「あれ?」って感じで、何度、相手の足をつかんでも抜けてしまう。その後、1回試合が止まった時、サブレフェリーに「なんか、おかしいです。滑ります」って言ったけどチェックしてくれなくて…。最後は相手のパンチを受けたところでレフェリーストップで負けになりました。
だけど〝ちょっと待ってよ〟って感じでした。セコンドに就いてくれていた下さん(下柳剛)に「絶対おかしい。めっちゃ滑ります」って話して、2人でレフェリーに抗議をしたら「これ以上、何か文句を言ったら失格にします」って言われて。だから一度は下がって、いったんたばこを吸ってから奥の部屋でレフェリーが戻ってくるのを待っていたんです。
すると、しばらくしてレフェリー陣が来たから「手の匂いを嗅いでください。甘い匂いがするから」って。実際、秋山選手に触れた手の部分に匂いが残っていたんです。だけど「たばこの匂いしかしない」。さらに2番目に嗅いだ人が「俺、鼻が悪いから」と言い出したら、残り数人もみんな「鼻が悪い」って言い出したんですよ! ここのレフェリーって鼻が悪くないとなれないのかよって(笑い)。僕は「絶対におかしい」って言ったけど、結局、認めてもらえませんでした。その後、帰り際に僕の控室に片付けに来たスタッフに「誰にも話さないから、正直に言ってください。甘い匂いしませんか?」って聞いたら「します」って返答してくれました。
ところが後日になって大きく事態が動き出しました。彼が試合前に全身に保湿クリームを塗っている映像があることが判明するんです。その映像は、1本丸々のオイルを彼の体に2人がかりで塗っているもの。それでカメラマンが「これ何してるんですか?」って聞いたら、秋山選手は「ちょっと乾燥肌なんで、クリームを塗ってます」と答えていました。
その後、僕は抗議文を提出。これによって試合はノーコンテスト裁定に変わりました。だけど、ノーコンテストっていうのもおかしな話じゃないかなって思うんですよ。そんなことより、もっとしっかり秋山選手にツッコんでくれよって思いました。
そして07年、僕は古巣「PRIDE」のリングに再び上がることになります。














