【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(34)】2007年4月8日、さいたまスーパーアリーナで行われた「PRIDE.34」のリング上に立っていました。理由はあいさつするためです。

 なぜ、そうなったのかはよく分かりません。だけど、PRIDEの中には僕のことを「裏切り者」と感じている人もいるはずだと思ったから、正直に言って行きたくなかったのは、よく覚えています。ブーイングとか罵声を浴びせられると思ったからタイガーマスクで顔を隠してリングに上がりました。

 ところが、1年ぶりのPRIDEでも、ファンの人たちは温かくて、ブーイングどころか声援をくれたんですよ。それで思わず泣いちゃったんです。だって「帰れ!!」とか言われると思っていたから…。本当にうれしかった。そして、この大会がPRIDEの最後のイベントになりました。

ロサンゼルスでホイス(下)と再戦(07年6月)
ロサンゼルスでホイス(下)と再戦(07年6月)

 その後、6月にロサンゼルスで行われた「Dynamite!! USA」でホイス・グレイシー(ブラジル)と再戦。試合内容は前回と同じような展開でしたが、結果は判定負け。セコンドに就いてくれたシュートボクセのフジマール(フェデリコ)は試合終了の瞬間に「勝った!」って言ってたから、結果にブチギレてましたね(笑い)。僕も自分が流れをつかんでいたと思うんですけど、判定なんで仕方ないですね。

 ただ、僕としては、ちゃんと決められなかった自分が悪いと思っているんですよね。判定勝ちも判定負けも僕にとっては同じ。いつも「ああ、一本取れなかった…」って思っているんです。

 ただ、この試合は勝った負けたよりもロープがめちゃくちゃ緩かったことの方が気になりました。本当にひどくて、少し垂れ下がっていたんです。全然締められていなかった。そのせいで、ロープ際に行って押されたら、一番下と2番目のロープの間に足が入っちゃうんです。それで「アクション! アクション!」って言われたけど、アクションするにはロープをまたがなきゃいけない。それで転ぶかもしれないから困りました。

緩過ぎるロープでホイス(下)に苦戦
緩過ぎるロープでホイス(下)に苦戦

 ちなみにこの試合では、後にドーピング検査でホイスに陽性が出たそうですね。確かに組みついた時、7年前の対戦より力強くは感じました。だけど、7年間ウエートトレーニングばっかりしたら、それなりに力がつくだろうし…。ドーピングに引っかかるほど、めちゃくちゃ力が強くなったって感じではないです。むしろ「ドーピングの前にロープをしっかりチェックしろ!」と言いたいですね(笑い)。

 この試合後、00年に引退してHERO’Sの解説をしていた船木誠勝さんの復帰戦の相手に浮上。「まずその前に柴田選手とやらせてください。それでもし、僕が勝てたら船木さんとやらせてください」と話して、当時、船木さんと行動を共にしていた柴田勝頼君と試合をすることになりました。

 

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