【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(30)】2005年8月中旬から1か月半、ブラジル・クリチバのシュートボクセで練習を行いました。現地で一緒によく練習したのはPRIDEにも出場したダニエル・アカーシオ(ブラジル)。練習でペアを組むことが多くて、当時20代のアカーシオに36歳の僕は追い込まれてヘトヘトになりました(笑い)。
2回対戦したニーノ〝エルビス〟シェンブリ(同)とも練習しましたよ。グラウンドは得意だけど立ち技が苦手みたいで「一本背負いのやり方を教えてくれ」って頼まれたっけ。かなり繊細な性格で、僕との試合の後に欧州でボコボコに負け「俺にはやっぱりMMAは向かない」って落ち込んでいたから「いやいや、できるって。勝つ時があれば、やられることもあるでしょ」と励ましたりもしました。ニーノ、元気かな。これを読んだら連絡ください(笑い)。
練習はみんな優しかったです。会長のフジマール(フェデリコ)が「俺のメンツがつぶれるから桜庭をケガさせるなよ」って言ってくれて。それでも当たりが強かったのが「HERO’S」にも出場したアンドレ・ジダ(同)。打撃練習で痛いのを入れてきたんですよ。それで「コイツ!」って、こっちも返したら引いたんですよね。その後みんなでメシを食いに行ったらジダが「桜庭、怒ってた?」って言うから「俺は怒ってないよ。そっちが先に仕掛けてきたんでしょ(笑い)」って。
そういう意味ですごかったのはPRIDEやUFCでもタイトルを取ったマウリシオ・ショーグン(同)。一緒に練習するってなったらフジマールが「これを着けろ、これも着けろ。コイツは危ないから」って体中にプロテクターを着けさせたんですよ。なんで?って思っていたら、ショーグンがマジでバッチバチにきたんですよ。ガチガチにくるから、〝ウワー〟と思って僕も一発返したら、スーッと下がっていきました(笑い)。あのスパーリングも面白かったなあ…。
あとは正直言ってメディアの取材がなかったのも良かったです。練習後の昼寝の時間を取られないから。練習が終わったらビール飲んでメシ食って寝て体重増やせばいい!みたいな。
治安は、サンパウロとかよりはいいっていわれていたけど、それでも…って感じでしたね。夜の10時くらいに窓から外を見ると酒瓶を手に持った若者がウロウロ歩いていて。そういえばフジマールが「車を運転する時は赤信号でも止まったらダメだ」って言ってましたね。「お金を持っていない子供が震えながら鉄砲を向けてくるから、赤信号でも横を確認したらバッと行け」って。今から20年以上前ですからね。
こうして1か月半の練習を経て、帰国し、再びPRIDEのリングに上がりました。結果としてPRIDEで戦うのはこの年が最後になります。














