【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(27)】2003年にニーノ〝エルビス〟シェンブリ、ヴァンダレイ・シウバに連敗した後、11月9日に元UFCヘビー級王者ケビン・ランデルマン(米国)と対戦しました。
この頃はまだシューズを履くのもありだったんで、めちゃくちゃタックルが速かったのを覚えてます。さらに2ラウンド(R)序盤に左のパンチをもらって「殴ってきたな、このヤロー」ってカッときちゃいそうになったんです。その瞬間、セコンドの下さん(※)が「落ち着け!」ってめっちゃ言ってくれて我に返った。あのまま殴りにいったら多分ボコボコにされていたと思います。
試合はその後、3Rに入ってアームロックで捕まえてから腕十字の形に入りました。その時に一瞬、ランデルマンと目が合ったのをよく覚えています。その後ランデルマンが僕にとっていい方向に逃げてくれたから十字が決まって勝つことができました(3R2分36秒)。
この年は大みそかも試合をしました。実はこの時、ランデルマンとの試合で足首をケガしてほとんど練習ができていなかったんですよね。だから本当は大みそかに試合をするつもりはなかったんですが「出てほしい」っていう感じでオファーが来たから、試合をすることになりました。
相手候補はアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル)とメキシコの覆面レスラー、エル・ソラール。でもソラールを選んだら、ホジェリオに逃げたと思われるじゃないですか。それは嫌だから、ホジェリオと対戦することにしたんですけど…。よく考えたらホジェリオって一卵性双生児のお兄ちゃんのホドリゴがヘビー級チャンピオンだったんですよね。なのにミドル級っておかしいですよね(笑い)。
試合に関しては、とにかくヘロヘロだった印象です。練習も2週間くらいしかできず、1Rの途中で太ももがパンパンになっちゃって…。とにかく最後まで立っていることを一番に考えて戦いました。結果は終了直前にホジェリオの打撃をもらってしまって判定負けでした。
ただ、大変だったのはその後です。ひどい〝ものもらい〟になって目が腫れ上がっちゃったんです。それが生まれたばっかりだった三男にもうつっちゃって泣いちゃって、かわいそうで…。それで病院に行って「試合以外誰とも接触していません」って言ったら、先生は「その選手しかいない」と…。後日、ホドリゴに確認したら「ソーリー。あの時うちの道場ではやっていて、弟も感染しちゃってたんだよね」って謝られました。ものもらいくらいチェックしてくれって話ですよ!
※下柳剛。ダイエー、日本ハム、阪神、楽天で活躍したプロ野球の元投手。桜庭と親交が深い














