【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(24)】2001年11月3日の「PRIDE.17」でヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)との再戦が組まれました。3月にTKO負けしてから約8か月。試合はPRIDEミドル級王座決定戦として行われました。
実は、このミドル級を決める時にひと悶着あったんですよ。というのは通常体重が83~84キロだったから「せめて90キロ以下にしてくれ」って言ったんです。だけどフジマール(※)とかが「93キロにしろ」って…。それで体重が決まったんですよね。まあ、PRIDEからしたら外国人とあれこれ交渉するより、僕の方が収めやすいじゃないですか。だから結局93キロになったんです。僕、90キロでも譲っているのに…。
そういう経緯もあって、試合が決まってからは「また重いヤツとやるのかー…」って。前回負けた時は確かに「やり返したい!」って思ったんですよ。でも8か月もたつと、その気持ちもなくなるでしょ。ただまあ殴りで勝てると思わないから一本で決めて勝つしかないなと思いました。
チャンスはいきなり1ラウンド(R)に訪れました。タックルでテークダウンに成功。そこから立ち上がろうとするシウバの首を捕らえることができました。すると、シウバは僕をリフトアップ。その時に「このまま真っすぐ落ちたら三角絞めがハマるな」と考えて準備をしました。
ところがその三角絞めを狙った足の乗せ方が悪く、左肩から叩きつけられてしまったんです。普通にそのまま落とされれば受け身を取ってなんの問題もなかったんですけど…。それで落とされてからもう1回三角絞めにいこうとしたら、左肩に力が入らない。「あ、これはケガしたな」と思いました。
その後は「片手でどうやって決めようか」って考えたんですけど、1R終了後、ドクターストップにより試合終了。TKO負けになりました。左肩は鎖骨から腕をぶら下げている靱帯がほぼ切れた状態になっていました。連戦による勤続疲労? そういうのは関係ないと思います。あの時、完全に自分の体重と相手のパワーで叩きつけられてバチンといってしまったんで。僕の受け身の失敗ですね。
この試合の後、マイクで思わず泣いちゃったんですよ。ファンの人の声で。「次も頑張れよ!」って言ってくれたんで、なんか悔しくて…。そういう声がうれしいのと、期待に応えられなかったことと、いろんな思いが重なって泣いちゃいました。でもね、一つ言わせてください。僕は一生懸命やっているから泣けるんですよ。一生懸命やってるヤツに泣く権利はあるんです。一生懸命やってないヤツには泣く権利はないんですよ!
※フジマール・フェデリコ。シウバも所属したシュートボクセ会長














