【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(21)】2000年5月1日に行われた無差別級トーナメント「PRIDE GRANDPRIX 2000」の2回戦でホイス・グレイシー(ブラジル)と6ラウンド(R)戦った末に勝ち上がり、準決勝ではイゴール・ボブチャンチン(ウクライナ)と対戦することになりました。
ところが、落とし穴が…。試合開始までに1時間くらい空いたんです。これで体が冷えてしまって、ガクンと疲労がきちゃったんですよ。試合も、今思うとバックを取っていれば良かったかなあって。僕は、相手が四つん這いの状況になったら横に崩してあおむけにしてから何かやりたいんです。っていうのもバックは技の展開が少ないから。それで、あんまりバックからというのをやっていなかったんですよね。でもあの時、ボブチャンチンをバックキープしてたら多分、首も取れたと思うんです。それで勝って、次の決勝で棄権してたらもっとおいしかったのになあ…。
ボブチャンチン戦で印象深かったのは、拳の硬さですね。パンチがフライパンで殴られてるみたいで、めっちゃ痛かった。その時点までで、食らったパンチの中で一番でした。やっぱり僕らとは骨密度が違うのかな…。骨が硬いんですかね。
それで1Rが終了して判定に入ったら「ドロー」だって言うんですよ。僕にしてみれば「ウソだろ! ボブチャンチンだろ。どう考えても俺、やられてるイメージしかねえんだけど」って思ってましたね(笑い)。ドローだと延長戦になるルールだったんで「絶対まだやらせようとしてるじゃん!」って。それでセコンドに「もう無理です」と言って、タオルを投げてもらってTKO負けになりました。
最終的に負けて終わっちゃいましたけど、この大会の後からテレビとかマスコミからの取材が一気に増えたんです。ありがたいことだけど、本当に大変でした。この頃、僕は1日2回練習をしていたんです。昼間に動く練習をして、ご飯を食べて、昼寝をして、それから夕方にウエートトレーニングをしていました。体重を増やさないといけなかったから。
となると、取材を受けるには何かを削らなくちゃいけない。それで、今まで昼寝に充てていた時間に取材が入るようになったんです。だけど、練習でめっちゃ疲れて、ご飯を食べておなかいっぱいの状態じゃないですか。もちろん、眠いから機嫌が悪そうに見えてしまうというか…。
表情がドンヨリしてしまって、面白いことを何も思いつかなかった。あの当時、取材してもらった人たちには申し訳ないなという気持ちがあります。この場を借りておわびしたいと思います。
ゴメンナサイ!













