【グレイシーハンターの〝真実〟 IQレスラー桜庭和志 実録 桜道(26)】眼窩底骨折に右ヒザの靱帯断裂と大ケガの続いた2002年が明けて03年の初戦は3月16日の「PRIDE.25」でのニーノ・エルビス・シェンブリ(ブラジル)戦でした。
この試合は…頭突きに尽きます(笑い)。コーナーに追い詰めてモンゴリアンチョップを放ったところでフッと記憶が飛んで、直後は「ヒザかなんかでやられちゃったか。しょうがねえな…」って思っていたんです。だけど、後からビデオを見たら、頭突きを思いっ切りアゴに受けてガクンと落ちた後にヒザ蹴りを受けていたんです。
結果は1ラウンド(R)6分7秒でTKO負けになったんですが、後で「これ頭突きじゃないですか」って。「この試合は負けでいいけど、もう1回やらせてください」って話して04年6月の再戦となりました。そこで判定勝ちし、リベンジしたんですけど、正直、再戦の試合は、ほとんど覚えてないですね。
そして、この次の試合がヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)との3戦目でした。8月10日の「PRIDE GRANDPRIX 2003 開幕戦」で行われたミドル級トーナメント1回戦。重い相手が続いていたから体重を急激に増やしていたんです。通常は84キロくらいなんですけど、この時は前日計量で91・2キロでした。
そのおかげで、コーナーに押された時も押し返すことができた。シウバも一瞬、驚いたというか焦った感じでした。その後、何発かローキックを打っても結構効いている感触があったんです。ところがその後、シウバがパンチをワン、ツーと2発打ってきたんです。あの時、流れ的にパンチは単発で来ると思ったんですよね。だから1発目はかわしたんだけど、2発目をもらってしまった。完全に読み違えてしまったんです。
そこからの記憶はなく、次に見た景色は控室の天井でした。試合は1R5分1秒、右フックでKO負け。だけど、僕にはこの数時間前からの記憶がなかったんです。あれは初めての経験でした。何度も起き上がり「あれ? なんでここにいるの? まだ○月○日だよね?」って聞いたそうです。それが最初は半年前の日付、次はそこから3か月くらい時が進んで、次はまた少し時が進んで…。周りはそのたびに「KOされて頭打ってるから寝てなさい」と横にさせたらしいですよ。
それで4回目くらいに「あ、そういえばやられたな」って思い出したんです。怪奇現象というか人体の不思議というか(笑い)。その後、シウバとは戦う話もあったんですが実現せず、これが最後になりました。シウバには3回負けちゃったけど、僕にも決められる瞬間が何度もあった。4回目? やれって言われれば…。この物語はまだ続くのかもしれない!?














