新日本プロレス10月12日両国大会で藤田晃生(24)とのV1戦に臨むNEVER無差別級王者ウルフアロン(30)が13日、人生最大級の屈辱を経て〝覚醒〟した。10日後楽園大会では、ジュニアヘビー級で自身よりも体重が29キロも軽い藤田にジャーマンスープレックスで沈められた。「ぬるま湯に漬かっている」という発言も甘んじて受け入れたウルフが、両国で名誉挽回を狙う。

 ウルフはこの日の仙台大会で6人タッグ戦で藤田と激突。背負い投げからの逆三角絞めでグロッギー状態に追い込み、チームの勝利に貢献した。

 ジャーマンで3カウントを奪われた後楽園での失態をすぐさま取り返した格好だ。柔道時代を含め、29キロも軽い相手に投げられたのはもちろん人生で初めてのことだった。取材に「G1クライマックスで積み上げてきた自信というものがすべて打ち砕かれた気持ちになりましたね。たまたまじゃなく、根こそぎ持っていかれたので。新日本ジュニアの層の厚さ、藤田晃生の強さを身をもって痛感しました。特に僕は投げられるということに対してのプライドは、人一倍高いと思うんです。そのプライドごと投げられた気持ちになりました」と振り返った。

試合後、意識朦朧の藤田晃生(右)をにらみつけるウルフアロン
試合後、意識朦朧の藤田晃生(右)をにらみつけるウルフアロン

 今年1月のプロレスデビューから快進撃を続けてきたが、藤田からは「ぬるま湯に漬かっちゃってる」と苦言を呈された。屈辱的な指摘にもウルフは「それはあったと思いますよ。G1最終日に体調不良になったのもそうですし、何か僕の中にあった甘えというものを気付かせてくれた一発だったと思います。そこに対して何かを言い返すつもりはないですし、結果で示していくものだと思うので」と真摯に受け止めた。

 目を覚まされた相手だからこそ、柔道金メダリスト、そしてヘビー級のプライドはかなぐり捨てて迎え撃つ。「機敏に動けるようにはしておきます。自分の土俵に持って来れれば…という考えはいま一度改めた方がいいですね。それが〝ぬるま湯〟だったのかもしれないですし、速さ、技、すべてにおいて対応しないと勝てないと思います」と警戒心を強めた。

 藤田はNEVERの特色を「男と男のどつき合い」と表現しているが、ウルフもこの発言には呼応する。「NEVERではハウス・オブ・トーチャーとしか抗争してこなくて、男同士のバチバチの戦いではなかったので。僕の中のそういう部分が表に出し切れてないなかで、藤田との試合がそのキッカケになったと思いますし。眠っていた部分を叩き起こしてくれて感謝してますし、だからこそ徹底的に叩き潰します」。無差別級の醍醐味を味わいつくした上で、ベルトを輝かせるつもりだ。