DDTの秋山準が、ついに“邪道”大仁田厚との電流爆破マッチに初出陣する(9月9日、大田区総合体育館)。これまで何人ものビッグネームを担ぎ出してきた大仁田にとっては“最後の大物”となるだけに、異次元の戦いに期待が高まる。これまで数えきれないほどの選手が電流爆破のリングに上がったが、特筆すべきは、初代爆破王にも輝いた“帝王”髙山善廣だろう。Uインター出身でメジャー団体の王座全てを獲得した帝王が、真逆に位置するであろう邪道のデスマッチのリングに出陣するのだから衝撃は大きかった。
当時、髙山は「単純な話。ジグソーパズルの最後に残ったピースが電流爆破だっただけ。これをやらずして、マット界を制圧したとは言えないなって」と淡々と語っている。大の怪獣マニアである帝王は「(爆破戦を)初めて見た時これはすげえって。人間がゴジラみたいに爆発する怪獣映画だと思った。もともと俺がプロレスを始めたのは、怪獣の戦いが好きだから。俺はあのリングでゴジラになりたいと思ったんだ」とかなり説得力のある参戦理由を語った。
初の電流爆破戦は2013年10月14日新潟の「越後大花火」(髙山、NOSAWA論外組対大仁田、田中将斗組)。
「ノーロープ有刺鉄線電流爆破タッグデスマッチ」で髙山は2度被弾し、論外が大仁田に屈した。髙山は「面白えじゃないか。今度はタイマンだ!」と絶叫。その後、大仁田との抗争は続き、15年1月23日大阪の「なにわ超花火」では、初代爆破王決定戦「ノーロープ有刺鉄線電流爆破ダブルバット・ダブルヘルデスマッチ」の大舞台で激突。ベルトがかかっているとあって決戦は異様なムードに包まれた。
『帝王と邪道。対極の人生を歩んできた2人の一騎打ちはこれが3度目。過去2回は大仁田が勝利したが、ついに帝王が邪道を超えた。試合はいきなりレッドミスト噴射を浴びた髙山が連続で爆破を浴びた。しかし意識もうろうとしながら裸絞めで捕獲すると、決死の“心中爆破”だ。ハイライトは11分過ぎ、爆破バットで邪道の背中を炎上させると、8度目の爆破につなげて最後は岩石弾で大激戦を制した。「やっとだよ、やっと大仁田から取れた」と金色に輝くベルトを掲げた。“ベルトコレクター”と呼ばれる男にとっても、欲しい宝物だった。2002年9月のGHCヘビーを皮切りにNWFヘビー、IWGPヘビー、そして3冠ヘビーと主要王座を総なめにした。思い出のベルトは実家の神奈川・藤沢市内の自宅を改修して4つの王座(計6本)が飾られている。ここに新たなコレクションが一つ加わる。「ブイブイ言わせてやるぜ、ノーフィアー!」と帝王は叫んだ』(抜粋)
その後も大仁田との抗争は続き、帝王はすっかり電流爆破の“顔”となった。何より196センチの巨体が巨大な爆破の炎に包まれる姿は、まさに「ゴジラ」のようだったのだ。邪道どころか、ある意味、プロレス本来が持つ大型選手のド迫力と醍醐味を、電流爆破戦で思い出させてくれた髙山の功績はあまりに大きかった。
帝王は現在、頸髄完全損傷の治療中で必死のリハビリを続けて復活を目指している。プロレス界の帝王は、必ずやいつの日かリングに立ち「ノーフィアー!」と「ゴジラ」のような咆哮(ほうこう)を上げてくれるに違いない。その日を心から待ちたい。 (敬称略)













