「非常にプロレスがよく分かってる。プロレスがうまいレスラーですね」。TAJIRIが、九州プロレス所属選手の中でも高く評価する一人が、ばってん×ぶらぶらだ。その理由は、技術だけでは測れないプロレスへの理解にある。

 何より買っているのは、ばってん×ぶらぶらがプロレスの「仕組み」を理解している点だ。「弱い方が頑張って強い相手に勝とうとすると、自然と応援したくなると思うんですよ、プロレスって。ばってんは、その仕組みをよく分かってるんですよ」。勝敗だけではなく、観客がどこで感情移入し、どこで「頑張れ!」と声を送りたくなるのか。その流れまで考えながら試合を組み立てているところに、レスラーとしてのうまさがあるという。

 だから、ばってん×ぶらぶらは「最弱」という立場を恐れない。「人気を博すために最弱っていうのをやってるんです」。普通なら少しでも強く見せようとする世界で、自ら弱さを前面に押し出す。それは自分を小さく見せるためではない。観客が感情を重ね、試合の世界へ入り込める物語を生み出そうとしているからだ。

 プロレスは、強ければ支持される世界ではない。弱い方が強い相手に食らいつき、何とか勝とうとするから応援が生まれる。ばってん×ぶらぶらは、その流れを自らのキャラクターとして表現している。そこにも、プロレスという競技への深い理解が表れている。

 技術があるレスラーは数多くいる。しかし、技術だけでは「プロレスがうまい」とは言えない。試合全体を組み立て、自分が担う役割を理解し、観客の感情まで動かすことができるかどうか。「プロレスがよく分かってる」と「プロレスがうまい」は、その違いを表す言葉ではなく、つながっている言葉なのだという。

 国内外で数え切れないほどのレスラーを見てきたからこそ、「非常にプロレスがよく分かってる。プロレスがうまいレスラーですね」という言葉には重みがある。強さだけではなく、プロレスという競技を深く理解し、それをリングの上で表現できる。それこそが、ばってん×ぶらぶらの魅力のようだ。