日の丸を背負う猛虎戦士が今後続々と〝侍ジャック〟しそうな気配だ。野球日本代表「侍ジャパン」を率いる井端弘和監督(48)が2日に阪神の沖縄・宜野座一軍キャンプを視察訪問。強化試合・欧州代表戦(3月6、7日=京セラドーム)や、11月に開催されるプレミア12へ向け、岡田彰布監督(66)に協力を要請した。長く日本代表とは縁の薄かった猛虎だが、地道に取り組んできた育成路線が実を結び、今や生え抜き戦力が大充実。多くの「メイドイン鳴尾浜侍」が世界を舞台に暴れる日も、そう遠くはない――。

 この日、岡田監督と井端監督は約45分の長きにわたり、グラウンド上でさまざまな意見を交換。侍ジャパンの指揮官は視察終了後に「阪神の選手は皆、昨季に比べても一回り以上体が大きくなっているように見える。岡田監督も(自軍選手の代表派遣に)前向きな姿勢を示してくれた。楽しみな若い投手も多いのでレギュラーシーズン開幕後も注意して見ていきたい」と笑顔をのぞかせた。

 ハッキリ言うて、一昔前まで阪神は侍ジャパンと縁が薄かった…。それが多くの虎党の偽らざる「本音」だろう。2017年の第4回WBCで選出された当時の阪神所属選手は藤浪(オリオールズFA)1人だけ。19年に開催されたプレミア12に至っては、屈辱の選出ゼロ。代表戦で日本全国が盛り上がる中、虎党たちは複雑な思いを胸に抱き続けてきた。

岡田監督(左)に「師匠!」と言わんばかりの握手をする井端監督
岡田監督(左)に「師匠!」と言わんばかりの握手をする井端監督

 だが、16年に金本政権の成立以降、地道に取り組んできた「超変革路線」が功を奏し、チームからは徐々に力のある生え抜き選手が台頭。21年の東京五輪に青柳、岩崎、梅野がオリンピアンとして選出されると、23年の第5回WBCには湯浅と中野がメンバー入りを果たし、14年ぶりとなる世界一奪還にしっかりと貢献した。

 井端監督はこの日、現時点で興味を持っている選手について問われ、大卒2年目の若虎・森下や、昨季にMVPと新人王のW受賞を果たした村上、さらには高卒2年目左腕・門別の名まで挙げた。当然ながら虎の規格外男・佐藤輝や、世界一侍の中野、湯浅なども有力なリストアップ候補だ。

 宜野座を視察訪問していた別の球界関係者も「今後はこれまでにない規模で、阪神勢が大量に代表選出されるんじゃないかな。ブルペンをのぞけば投手陣の充実ぶりには本当に驚く。青柳、村上はキャンプ2日目とは思えないほどの仕上がりの良さを見せてくれているし、中継ぎ陣も含め多くの有望投手がひしめいていて、いい意味で競争が激しい。野手陣も将来有望な選手が多いし、期待していいと思いますよ」と力説。昨季、38年ぶりとなる日本一に輝いたチームの戦力的厚みはやはりダテではない。

 ファーム・鳴尾浜の土にまみれながら育ったタテジマ選手たちが、世界を舞台に戦う――。多くの虎党の待ち望んだ〝侍ジャパン〟が結実する日が、刻一刻と近づいている。