勝利を締めた右腕に、あまりにも冷たい現実が待っていた。米経済紙「フォーブス」電子版は1日(現地時間)、昨季までヤンキースに所属していたブレーブスのカルロス・カラスコ投手(39)が、好投を見せた直後にDFA(事実上の戦力外)となった「悲哀」をクローズアップした。
39歳のベテランが示した仕事は、結果だけを見れば十分だった。それでも強豪球団のロースターに、長く座るイスは残されていなかった。カラスコは23日(同24日)のナショナルズ戦(ワシントン)で9回に登板。1回を無安打無四球無失点、1奪三振と完璧に封じた。投球数は10球で8ストライク。最後はヤングを92・5マイル(約149キロ)のシンカーで左直に仕留め、ブレーブスの7―2での勝利を締めた。
この日の試合は新人右腕のJR・リッチー投手(22)が7回2失点でメジャー初勝利。オジー・アルビーズ内野手(29)が本塁打を含む4打点を挙げ、同日の時点でチームは直近9戦8勝と勢いに乗っていた。
しかし、球団は29日(同30日)に左腕ディラン・リー投手(31)を育児休暇リストから復帰させ、その枠を空けるためカラスコを40人枠から外した。米移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」も「短期的な昇格に見えていた」と指摘。たとえゼロで抑えても、構想上の優先順位は変わらなかったということだ。
30日(同1日)現在、ブレーブスは22勝10敗でナ・リーグ東地区首位。2位マーリンズに6・5ゲーム差をつけ、得失点差もプラス66と強さは際立つ。もっとも同日のタイガース戦(アトランタ)は2―5で逆転負け。8回に救援陣が崩れ、厚い戦力を誇る優勝候補にもブルペン整備の神経戦は続いている。
一方の古巣ヤンキースも20勝11敗でア・リーグ東地区首位。昨季貢献したベテランを呼び戻さずとも、アーロン・ジャッジ外野手(34)、マックス・フリード投手(32)らを軸に勝ち続けている。
かつての最多勝右腕は、通算1688回以上を投げ、防御率4・22、1697奪三振を積み上げた実力者。それでも今は、強いチームほど非情な整理を迫られる時代だ。完璧な1イニングが、生き残りの保証にならない。カラスコのDFAは、メジャーの残酷な現在地を映している。












