〝皮肉の弾〟は、ベンチ整理よりも先に古巣側から飛んできた。ドジャースがサンティアゴ・エスピナル内野手(31)を事実上の戦力外(DFA)とすることが16日(日本時間17日)までに決まった。

 米移籍専門サイト「トレード・ルーマーズ」によると、60日間の負傷者リスト(IL)に入っていたトミー・エドマン内野手(31)が復帰するため、40人枠とアクティブ枠を空ける措置として、デーブ・ロバーツ監督(54)がエスピナルを外す方針を明言した。

 ロバーツ監督は「今の我々のチームにとって、彼との相性はあまり良くない」と説明。昨オフにマイナー契約で加わったエスピナルは、春季キャンプで打率3割7分8厘、長打率6割4分4厘と猛アピールし、開幕ロースターをつかんだ。だが公式戦では勢いが続かず、今季は60打席で打率2割6分8厘、長打率3割7分5厘、1本塁打。大谷翔平投手(31)が投打で話題をさらう裏で、内野の控え争いは容赦なく整理の時を迎えた。

 ここに辛口の横やりを入れたのが、昨季までエスピナルが在籍していた古巣レッズ側の視点だ。米メディア「ファンサイデッド」はレッズ関係者らのコメントを記事中でまとめると「こうなることは事前に分かっていたはずだ」と切り込み「ドジャースはレッズがエスピナルについてすでに知っていたことを、いまさらながらようやく〝再確認〟しただけだ」との趣旨で痛烈に論評した。さらには「もはやメジャーリーグレベルの選手ではない」とまで断じ、ドジャースの見切りを〝答え合わせ〟のように扱った。

 エスピナルは2024年、負傷者が出たレッズに穴埋め役として、シーズン開幕直前にブルージェイズから加入。同年は一定の働きを見せ、翌年も残留したが、長打力不足は隠せなかった。米移籍専門サイト「トレード・ルーマーズ」も21、22年のブルージェイズ時代には光った打撃が以降は低下し、直近は打率2割4分7厘、出塁率2割9分6厘、長打率3割2分8厘に沈んでいると指摘している。

 ただ、常勝軍団のドジャースにとっては、エドマン復帰に伴う通常の枠整理にすぎない。エスピナルは今後、トレード、ウエーバー、放出などの手続きに進む見込みだ。だが、レッズ寄りの論調は「最初から分かっていたこと」「だから言わんこっちゃないだろう」「見る目がなかった」などと言わんばかりの挑発ムードを帯びる。

 球団同士の公式な応酬ではないとはいえ、移籍市場を巡る場外戦としては十分に刺激的だ。エスピナルの次の行き先以上に古巣側から浴びせられた冷笑が、ドジャース周辺に妙な火種を残した。