視線はいや応なく、来季へ向き始めた。セ4位・ヤクルトは15日の広島戦(神宮)に4―9で敗れた。14試合を残して今季71敗目を喫し、シーズン負け越しが決定。池山隆寛監督(60)は「DeNAさんが昨日(勝率)5割になり、残り試合を全部勝っても追いつかないというところだと思います」と苦しい現実に目を向けた。

 先発した吉村は2回5安打6失点KOで12敗目(4勝)。打線は2本塁打を含む8安打で意地を見せ、一時は2点差まで迫ったが、最後までその背中を捉えることはできなかった。

 この日3位・DeNAは勝利したためゲーム差は「8」となり、クライマックスシリーズへの進出は困難を極める状況となった。そんな中、チームはひとつの転換点を迎えつつある。首脳陣は来季を見据えた〝若燕育成〟へかじを切るのか――。

 この日は、ドラフト1位・松下歩叶内野手(23)と高卒2年目・田中陽翔内野手(20)がそろって一軍に合流。池山監督は試合前に「いろいろな壁にぶち当たって、大きくなってもらえれば。未来のヤクルトを背負ってくれることを願って」と期待を口にし、その言葉どおり、松下が「7番・三塁」、田中は「8番・二塁」でこの日スタメン出場した。

 そして若き戦士たちは、いきなり起用に応えた。田中は3回第1打席でプロ初本塁打となる1号ソロアーチを放つと、第2、3打席には四球を選んでチャンスメーク。松下も8回に中前打で出塁し、プロ初の盗塁を決めるなど気概あふれるプレーで存在感をアピールした。

 指揮官は「一戦一戦、応援してくれるファンの方がいる。気を抜くことなく今日は今日、また明日は明日で。1日空きますけど、明後日からまたいい準備をして戦いたいなと思います」と気持ちを引き締める。だが、現在のチーム状況を踏まえれば勝利だけを追い求める状況から、若手に実戦経験を積ませる戦いへシフトする時期が近づいているともいえる。

 池山スワローズは残りの試合でどこまで未来に投資するのか。ここからの戦いが注目される。