強豪撃破を生んだのは、グラウンド外の〝寮改革〟だった――。第108回全国高校野球選手権大会の第8日(12日)第3試合で、佐野日大(栃木)が神村学園(鹿児島)を3―1で破り、3回戦進出を決めた。

 3回に桜岡(3年)が適時三塁打を放ち、2点を先制。援護を受けた先発の沖崎(2年)が4回に1点を失ったものの、5回からはエースの鈴木(3年)が継投し、5回を3安打無失点。神村学園の強力打線に反撃を許さなかった。打線も9回、小島(2年)の適時打で貴重な1点を加え、試合を決めた。

 麦倉監督は「神村学園の強打がいつ爆発するかヒヤヒヤしました。強豪チームばかりなので一戦一戦接戦をものにするしかない。次も頑張ります」と気を引き締めた。

 2014年以来遠ざかっていた甲子園に、今年は春夏ともに出場。そしてこの日、大会V候補を撃破した佐野日大の躍進の裏には、首脳陣が進めた〝寮改革〟があった。

 佐野日大の寮は4人部屋。これまでは1年生4人、あるいは2、3年生が2人ずつというように、学年を分けて生活していた。しかし2025年からは1年生2人、2年生1人、3年生1人と、学年の垣根を越えた組み合わせに変更した。

 その狙いについて渡辺雅之部長(58)は「今の3年生はすごくしっかりしていて、勉強もおろそかにしない。それを後輩たちが見て『こうしたらチームがまとまる、強くなる』っていうのを経験してほしい。そんなことを監督と相談して決めました」と説明。半年に一度の部屋替えでは、性格や出身中学、ポジションなどを考慮し、麦倉監督が組み合わせを決めるという。

 その効果はナインも感じている。選手の一人は「グラウンドでは聞けないことを部屋で聞いたり、話したり。野球以外で勉強のことを教え合ったりすることもある。チームのまとまりは強くなったと思う」と証言。別の選手も「自分たちが入寮した時は、先輩とグラウンドでしか関わることがなく壁を感じていたが、今はそれがなくなった」と変化を口にする。

「部屋で一緒に過ごす時間は長いので」と渡辺部長。寮生活で育まれた学年を超えた一体感が、甲子園での快進撃を後押ししている。