白星を呼び込んだのは〝自給自足〟のパワーだった。第108回全国高校野球選手権大会第7日の11日、甲子園球場で行われた第2試合の2回戦で、智弁和歌山が社(兵庫)を2―1で下し、近畿勢対決を制した。
投げては先発の和気匠太投手(3年)が6回2安打無失点と好投。7回から登板した長井心海投手(2年)も3回1失点でリードを守り切った。打線は2回無死三塁から6番・松本(3年)の二ゴロの間に先制。3回には3番・井本(2年)の中犠飛で貴重な2点目を奪った。
5年ぶりの夏の初戦突破を決めた中谷監督は「本当、さすが社さん。勝負強いというか。いいチームでしんどかったです」と胸をなで下ろした。
そんなナインを陰で支えているのが、今年3月に始まった〝部内菜園〟だ。寮の屋上を利用し、選手たち自ら野菜を育てている。
寮での食事は、中谷監督と寮母の意向で国産食材にこだわっている。そこで指揮官が「自分たちで最初から(食材を)つくってみよう」と発案。屋上に家庭菜園用の大型プランターを20個以上設置し、土と肥料を混ぜるところから種まき、水やりまで、すべてナインが手掛ける。
これまで栽培したのはゴマ、きゅうり、ネギ、赤と黄色のトマト、さつまいも、大葉、ニンジン、ピーマン、ナスの9種類。中でもきゅうりは、ズッキーニと見間違えるほど立派に育ったという。
ある部員は〝智弁和歌山産〟の出来栄えに「直売所でも売れるくらい、質がいいです」と笑顔。収穫した野菜はナインの食事トレーニングにも活用されており「栽培した野菜を食べているからか、常に体の調子がいいです」と胸を張る。
土づくりから丹精込めた野菜が、聖地で戦う球児たちの体をつくる。〝部内菜園〟の恵みも、5年ぶりの夏1勝を後押ししているようだ。












