一発で奪った3点が、最後まで重くのしかかった。セ2位の巨人は4日の広島戦(マツダ)に3―4でサヨナラ負け。初回にダルベックの18号3ランで先制したが、その後は無得点で7、8回に追いつかれて延長戦へ突入した。延長12回にマルティネスがファビアンにサヨナラ弾を浴び、4時間13分のロングゲームは幕を閉じた。4週連続で6連戦が組まれる過密日程の初戦を落とした。

 橋上監督代行は「何度か同じ感じ。初回に点を取った後、次の1点が取れずに流れを引き寄せることができない。終盤に投手陣にもプレッシャーがかかる展開になりましたね」と総括した。

 今季、巨人が勝利した試合で挙げた228得点のうち、イニング別で最多は初回の33得点。立ち上がりで主導権を握り、強力な救援陣につなぐ形を勝利の方程式としてきた。一方で追加点を奪えないと投手陣への負担が増し、終盤にひっくり返されるケースも少なくない。指揮官は「そのあたりは課題として残る」と改善の必要性を口にした。

 その攻撃陣を支える舞台裏では、シーズン中としては異例の変化が起きている。李承燁(イ・スンヨプ)打撃コーチ(46)とゼラス・ウィーラー打撃コーチ(39)の通訳を務めていた全東日(ジョン・ドンイル)通訳が7月末、一身上の都合で退団。現在、李コーチは専属の韓国語通訳が不在のまま、選手やスタッフと意思疎通を図っている。

 日本語、韓国語、英語を操り、両コーチと選手の橋渡し役を担ってきた全氏の退団だけに、現場への影響も懸念された。そこで李コーチ本人を直撃すると「うまくやってますよ」と親指を立てた。「来日直後に比べて日本語の語彙(ごい)も増えたし、自然と出てくる日本語も増えている」と手応えを口にした。細かなニュアンスを伝えたい時は「ブルペン捕手の柳桓湊(リュ・ファンジン)さんの力も借りながら」と明かした。

 李コーチは前半戦までにウィーラーコーチとの間で、日本語と英語を交えたコミュニケーションを定着させ、よく使う言葉も理解している。ある選手も「スンヨプさんとは日本語、ウィーラーとは英語で話しています」と証言し、現場では柔軟な対応が取られている。李コーチにとっては、家族と日本で暮らしていることも精神的な支えになっているのかもしれない。痛恨の敗戦の陰で、チームは変化する環境に適応しながら前へ進もうとしている。