巨人の来季一軍打撃コーチに韓国出身の球団OBイ・スンヨプ氏(李承燁=49)が就任した。日韓通算626本塁打の大記録を持つ〝アジアの大砲〟は、現役時代、オリンピックなど国際大会で母国の躍進に貢献。「国民打者」の愛称で知られる韓国の英雄である。そんな隣国のレジェンドが海を渡り、巨人のコーチ就任に踏み切った背景には何があったのか。
スンヨプ氏が解説者時代、ともに番組制作に携わった韓国主要テレビ局の記者は、野球を通して見たスンヨプ氏と人物像をこう語る。「彼は韓国の野球選手の中でも指折りのリッチマン。監督という重責を負わずに、家族と悠々自適に過ごすこともできるのに、斗山ベアーズ監督のオファーを引き受けたほど、野球に対して情熱と向上心がある方です」。
現役引退6年後の2023年から率いた斗山ベアーズは、KBOの中で最も長い歴史を持つ球団の1つ。伝統球団の指揮官として、就任1年目は前年の9位から5位に押し上げ、2年目も4位で2年続けてAクラス入り。しかし、契約最終年だった今年6月に、チーム成績が9位にまで下がったため責任をとって任期満了を待たずして監督を辞任した。
「プロの指導経験がない中での成績として十分ですが…やはり本人は、コーチの経験の必要性を感じたはずです」(同)。実際、臨時コーチを務めた今秋の巨人の秋季キャンプでは「選手にアドバイスするのも大事ですけど、やっぱり自分も勉強しにジャイアンツに来た」と「学び」が1番の目的であることを明かしていた。
しかし、スンヨプ氏が韓国内で残した功績を考えれば、本来なら韓国で引く手あまたのはず。何が彼を巨人に導いたのか。そんな問いに同記者は「彼ほどの大物が韓国でコーチを務めるとなると、現場の監督の方が気を使ってやりづらい。それでも、将来的にKBOで再び監督を目指すのであれば、レベルの高い環境でのコーチ経験は不可欠。となれば、巨人からのオファーは彼にとって〝理想の修行場〟だったのではないでしょうか」と推察した。
両者ウィンウィンだった英雄のカムバック。もう負けられない阿部巨人とスンヨプ氏は、笑って来シーズンを終えられるのか。













