魚雷は折れても、主砲の一撃まで沈むわけではない。2位・西武は4日のロッテ戦(ZOZOマリン)に3―5で逆転負け。首位・ソフトバンクとのゲーム差は「7」に広がり、自力優勝の可能性も消滅した。それでも、今後の浮上へ欠かせない4番の存在感は際立った。

 先発した平良が3回9安打5失点と誤算だった。初回に2点を先制しながら試合をひっくり返され、西口監督も「思い通りに投球ができていない、思うところに投げられていない」と渋い表情で主戦の乱調を振り返った。

 重苦しい敗戦の中で気を吐いたのが、タイラー・ネビン内野手(29)だ。初回、ロッテ先発の小島が投じた初球の直球をとらえ「積極的に強くスイングをすることができた」と左翼席へ16号先制2ラン。6試合ぶり、8月初の一発を放った。

 しかも、この日から試合用のバットを新調。期間限定のアオフェスユニホームと同色のグリップテープを巻き、最初のスイングでいきなり結果を出した。7月29日の球宴第2戦(富山)ではソフトバンク・柳田からバットをねだられたほど、昨年流行した通称・魚雷(トルピード)モデルの使い手として球界でも知られる。

 ネビンは「最初は興味本位だったんだけど、自分に合っているなと。バットのグリップよりにボールをとらえることが多かったので。そこを単純に太くすれば、よりヒットが出るんじゃないか、と思った」と〝相棒〟との出会いを振り返る。昨季5月に導入して以降、一貫して使い続けてきた。

 平均約900グラムのトルピード型を手放さない理由は、スイング軌道との相性だけではない。タイミングを外されたり、差し込まれたりしても、バットが折れるケースが格段に減ったという。

 バットは「なるだけ1本を長く、使い続けたいと思っている。どんどん折れて(ストックの)本数が減ってしまうのもイヤだからね」とネビン。今季、試合で使ったのは「6~7本ぐらい」で、折れた場面も数えるほどだった。だが、前カードのオリックス戦で長らく愛用した1本がついに折れた。

 それでも新たに下ろした〝魚雷〟で即座に一発回答。試合後は「折れるまで使うよ」と満足そうに語った。ネビンが本塁打を放った試合でチームは9勝4敗1分け。自力Vは消えても、逆襲の火種まで消えたわけではない。4番のバットが、西武の命運を握っている。