MLBで旋風を巻き起こしている「魚雷バット(トルピードバット)」に対し、思わぬ角度から懸念の声が上がっている。米スポーツメディア「アスロン・スポーツ」は9日(日本時間10日)、米気象専門局「ウェザーチャンネル」がこの新型バットに関する独自分析を実施し「強風時にはむしろ不利になる」と結論付けたことを報じた。
魚雷バットはバットの根元部分に重心を置いた特殊な形状で、より速いスイングと高いコントロール性を実現するのが特徴。ヤンキースは今季からこの新型バットを本格導入し、開幕2戦目の本拠地ブルワーズ戦(現地時間3月29日)では球団最多の1試合9本塁打を記録するなど破壊力を見せつけている。他球団でも導入が広がり、すでに10人以上のMLB選手が使用を始めている状況だ。
ところが「ウェザーチャンネル」が実施した分析によると、この新型バットは強風時に思わぬ〝弱点〟が露呈するという。通常のバットは先端が重く慣性モーメントが大きいため横風に対しても軌道がぶれにくいが、魚雷バットはバットの先端が軽いため突風や横風の影響を受けやすく「スイング中に予想外の抵抗を受け、軌道が狂う可能性がある」と指摘されている。
同チャンネルの気象学者や有識者は、さらに気温や湿度、雨天といった一般的な天候条件では魚雷バットに特別な優位性は認められなかったとも報告。唯一、強風時にのみ測定可能な不利な点が見つかったという。
その一方、日本プロ野球界でも、この魚雷バットの導入が前向きな方向で進められている。今月7日に行われたNPB実行委員会では、大リーグで注目を集める、この新型バットを近々導入する方針が示された。早ければ5月の実行委員会で正式承認され、12球団で足並みをそろえての使用がスタートしそうな雲行きだ。
しかしながら魚雷バットの〝弱点〟が米国で指摘されたことで、日本球界でも風の影響が強い屋外球場などでの使用に向けた慎重論が浮上する可能性もある。驚異的な打棒爆発が続くヤンキースを後押しするなどMLBで新風を吹かせる〝秘密兵器〟にも、意外な死角が見え隠れしている。












