衝撃の補強がついに現実のものとなった。ワールドシリーズの3連覇を目指すドジャースが最強左腕、タリク・スクバル投手(29=タイガース)を大型トレードで獲得したと1日(日本時間2日)に米メディアが一斉に報じた。すでに実力を備えたスター選手ぞろいの最強軍団はますます無敵となり、投手を休業中の大谷翔平投手(32)の今季中の登板は〝不要〟との見方も出始めている。

 米東部時間3日午後6時(同4日午前7時)のトレード期限を前に、巨大な嵐が吹き荒れた。スポーツ専門局「ESPN」などがスクバルのドジャース移籍を報じると、瞬く間に大混乱に陥った。

 今季でタイガースとの契約を満了するスクバルを巡っては、シーズン終了を待たずにドジャースにトレード移籍する可能性が伝えられてきた。しかし、実際に交渉がまとまったとなれば話は別だ。何しろ、スクバルは昨季まで2年連続で投手最高の栄誉であるサイ・ヤング賞を獲得。ただでさえドジャースがナ・リーグ西地区の首位を独走し、この日終了時点で2位のダイヤモンドバックスに10ゲーム差もつけていた中での獲得だ。

「悪の帝国」とやゆされるドジャースには〝アンチ〟のファンらから「野球はもう終わりだ」など猛バッシングを浴び、ますます嫌われ者と化している。

 ドジャースはスクバルと引き換えに外野手のホープ、投手のライアン、スミスの若手有望株3人をタイガースに送るが、年齢的にも長期の活躍を見込める左腕はまたとない戦力だ。

 一方、戦力をさらに強化したことで大谷の投手復帰には懐疑的な見方も出ている。米メディア「クラッチ・ポインツ」は「大谷翔平はヒザの炎症に悩まされており、プレーオフに向けて彼を温存するのではないかという臆測も呼んでいる」と報じた。

 左ヒザ痛を抱える大谷が最後に登板したのは7月3日(同4日)のパドレス戦。利き腕である右上腕二頭筋の張りを訴えて緊急降板した。以来、ブルペンの投球練習は1度だけで25日(同26日)は回避。打者としてはプレーを続け、本塁打も放っているものの休養日を挟みながらの起用で、投手として実戦復帰する見通しは立っていない。

 チームが見据えるのは、10月のポストシーズンで大谷を投打の二刀流でフル回転させること。その場しのぎの起用を続けるよりも、切迫していないチーム状況も踏まえ、地元紙「カリフォルニア・ポスト」が「10日間の負傷者リストに入れて治療と休養に専念させるべきだ」と訴えていたほどだ。

 さらに、スクバルの獲得を受けて「スポーツキーダ」では「ロバーツ監督はポストシーズンの先発ローテ上位を犠牲にすることなく、大谷を打撃に専念させられるぜいたくな選択肢を得た」と今季中のローテから大谷を〝除外〟している。

 大谷が1か月近くローテに不在の間もエース・山本を筆頭に11勝のロブレスキ、佐々木らが埋めて好位置を守ってきた。今後はスクバルに加えて離脱中のスネル、グラスノーも復帰を控えている。となれば、手負いの大谷の復帰をわざわざ急がせる必要はないというわけだ。

 自身、そして日本選手初となるサイ・ヤング賞の獲得はもはや絶望的。スクバルの加入により、このまま「投手・大谷」が9月いっぱいまで〝封印〟されるかもしれない。