不安を消し去ることはできるか。ソフトバンク宮崎春季キャンプの20日、新戦力でWBC台湾代表エースの徐若熙投手(25)がフォーム矯正に確かな手応えをつかんだ。最速158キロを誇る右腕は、今キャンプでCPBL時代の「2024年型フォーム」に戻す〝突貫工事〟に着手。ホークス首脳陣のアシストも受けながら、少しずつ光が差し込んできた。
WBC開幕まで2週間を切ったこの日、ブルペンでこれまでとは見違える球筋を披露。見守った倉野チーフ投手コーチら首脳陣、球団関係者らが「これまでで一番よかった」「今日のボールなら大丈夫」と評し、取り組みの成果に安心した様子だった。
勤勉で知られる25歳は常に自らを客観視し、ここまで満足感をにじませることは皆無だった。ただ、この日は時折表情を緩めながら「自分の感覚が戻ってきたという感じがした。それを体感できたことが一番の収穫」とうなずいた。
台湾では「至宝」と呼ばれ、大きな期待を寄せられている。ゆえにNPB1年目のキャンプでの取り組み、WBCに向けた調整が順調に進んでいるかは、台湾球界で今一番ホットな話題だ。この時期にフォームをいじることがデリケートで、差し迫っている状況は承知の上。「一番いい時の『2024年のフォーム』を取り戻したい」と語るのはWBCで台湾の躍進を支え、スムーズな形でNPBに適応するためだ。
急がば回れ――。ホークスでのデビュー戦が26日の台湾代表戦(台北)になることが判明した。当初、チームは22、23日の侍ジャパンとの壮行試合(宮崎)を対外試合デビューの候補に設定していたが、本人の意向もあって機会を調整。記念すべき初陣がくしくも台湾で開催されるナショナルチームとの注目の一戦に決まった。
WBC台湾代表の戦果も、ホークスのリーグ3連覇の道筋も、徐若熙のパフォーマンスが命運を握ると言っても過言ではない。「台湾の至宝」と称される右腕の真価が問われている。












