チャレンジ精神の塊だ――。台湾・味全からポスティングシステムでソフトバンクに加入した徐若熙投手(シュー・ルオシー=25)が29日に福岡市内のホテルで入団会見に臨み、3年後のメジャー挑戦意欲を表明した。最速158キロを誇り、ドジャースを筆頭にメジャー10球団以上が獲得に興味を示した右腕。2023年の台湾シリーズでMVPに輝いた台湾のエースは、新天地で世界を振り向かせるパフォーマンスを誓った。

「ホークスで圧倒的な成績を残したい。3年後にはメジャーに挑戦する姿を見せたい」。明確な理想を掲げ、力強い所信表明だった。会見に同席した城島CBOも「彼は、今がピークじゃない。我々の最先端の指導法で3年後には世界を代表する投手になってもらいたい」と右腕の志を尊重した。双方の言葉通りなら、推定3年総額15億円を超える大型契約に見合うパフォーマンスとなるはずだ。

 この日の会見で徐若熙が最も感情を込めたシーンがあった。「私の武器は、心の強さ。それは球場のマウンド上だけではない。私はいつでも挑戦したい気持ちを持っている。それが一番大切なことだと思っているから」。

 徐若熙がこのオフ熟考したのは、直接MLBに挑戦するか、NPBでステップを踏むか。メジャーならドジャース、日本ならホークスと日本ハムが強い関心を示していた。NPB入りを選択する際、ダルビッシュ(パドレス)や大谷(ドジャース)といったMLBへの輩出事例が多い日本ハムをあえて選択しなかった理由が、いかにも徐若熙らしかった。

 右腕の真意を伝え聞いていた台湾球界関係者は、こう証言する。「彼は交渉の過程で『あえて台湾人の少ない環境を選びたい。同郷の仲間がいると、つい甘えてしまう。自分を追い込んで、自分の力で環境になじんで、道を切り開きたい』と言っていた」

 ホークスには育成の張峻瑋が在籍しているが、一軍クラスに台湾人選手はいない。一方、日本ハムには古林睿煬、孫易磊という台湾代表でも懇意の2人がいる。仲間に甘えない、頼らない――。並々ならぬ覚悟で日本へ渡り、その先さらに困難な挑戦が待ち構えているからこその選択だった。

 開拓意欲あふれる25歳の大航海が、いよいよ始まる。