巨人・竹丸や西武・小島など各球団で存在感を示す新人たち。そんな中で筑後に異色の経歴を持つルーキーがいる。それが中央大の準硬式野球部からホークスに入団した北斗投手(22)だ。最速152キロを誇る右腕は昨秋の育成ドラフト8巡目で指名を受け、プロの門を叩いた。右腕が歩んできた道のりと、プロで目指す〝物語〟とは──。本紙が直撃した。
──プロの世界に入って約5か月。体つきも変わってきた
北斗 体重が7キロくらい増えましたね。平均球速も3、4キロ上がってびっくりしました。体重が増えただけでこんなに変わるんだと。入る前は80キロぐらいだったんですけど87、88ぐらいでキープできている。大学であんまりウエートをやってこなくて未知数な部分もあるので、自分でも楽しみですね。
──準硬式から硬式の球にはすぐ適応できるものなのか
北斗 最初はボールのリリースとかが全く違くてかなり苦戦しました。(大学4年の)8月ぐらいから練習していたんですけど、なかなか感覚をつかめなくて。準硬式はボールがひと回り小さくて指に引っかかるのでリリースが前になるんですけど、硬式は弾くイメージで投げるので(リリースが)少し後ろになる。そこがめちゃめちゃ苦戦しましたね、どうやって投げるんだろうみたいな。高校の時も硬式で投げていたけど4年のブランクは大きかった。今はだいぶ慣れてきました。
──準硬式の世界は
北斗 準硬式って注目されないので、試合でも記者もお客さんも全然いないんです。チアリーダーは来てくれるんですけど(球場では)チアの声が鳴り響いて、なんなら次のチームの観客がもう客席で待ってるみたいな。ただ、すごい選手もいるのでその子たちを注目してもらえたら(プロの世界に)きてよかったなと。
──雑草メンタル
北斗 準硬式の時は絶対抑えないと思ってたんですけど、プロに来たら真逆になってみんな上のレベルなので。打たれても仕方ないと切り替えられるのが自分のいいところかなと。いろいろ教えてもらって練習して、打ちのめされて、また練習するのも大丈夫だなって。すごい打者と対戦しても気負わないし、抑えたらそれが自信になる。
──沖縄出身。中学時代は野球が盛んな学校ではなかった
北斗 女の子2人に野球初心者が5人、経験者が3人みたいなチームで。地区大会コールド負けが当たり前でした。9人とか10人でやってましたね。
──そこから興南高に入学、同級生には山城(巨人)、2学年上には宮城(オリックス)も
北斗 一般受験で入りました。甲子園球場を見たかったんですよ、ドラマの『ルーキーズ』がすごく好きだったので。それで興南が一番近いのかなと思って入った。なので甲子園のベンチじゃなくてスタンドで応援できたらいいなと思ってました。ただ入学して宮城さんを見て「入るところ間違えた」と思いました(笑い)。
──そんな中で春の九州大会では背番号1をつけるなど成長した
北斗 下級生の頃はケガもあって出番がなかったんですけど、山城がケガした時にチャンスが巡ってきて。ちょうどそのタイミングで(元ホークスで同校OBの)島袋さんがコーチに就任されて、そこでバーンと伸びた。島袋さんパワーもありますね。
──島袋さんに教えてもらったこと
北斗 技術もそうなんですけどメンタル面が大きいですね。(大会の)初戦ではどういう気持ちの入り方をしたほうがいいかを教えてもらったり。そのおかげで、マウンドでは全然緊張しなかったですね。(プロに入る際には)「人数が多いから埋もれないように。ずっと応援してるから」と励ましてくれて。でも最後は「大丈夫っしょ」みたいな感じで。ここまできたらやるしかないと思ってます。
──「北斗」という登録名
北斗 いろんな人に覚えてもらえるように。先輩にも大山さんがいて被っちゃたのと「北斗」の方がインパクトあって覚えてもらうにはとびきりかなと思ったので。スカウトの人とも「もし指名されたら北斗にしよう」と話にはなっていたんです。北斗推しでどんどんやった方がいいと思ったので、登場曲も『北斗の拳』にして。まずは北斗世代の方に覚えてもらえれば。オリックスにラオウさん(杉本裕太郎)がいるじゃないですか。倒さないとですね。ラオウから三振をとったらひとつの物語ができるのかなと(笑い)。道のりは長いですけど。
──今季の目標を教えてください
北斗 体作りをして来年以降に勝負を持っていけたら。球速も上げてMAX155キロぐらいまで投げられるように、あとはストライク率を一軍レベルにまで上げたいです。今季は体を鍛えてアピールしてまずいち早く名前を覚えてもらえるよう頑張ります。
本名おやま・ほくと 2004年3月10日生まれ、沖縄県糸満市出身。右投げ右打ち、投手。背番号164。身長180センチ、体重87キロ。興南高では甲子園出場経験はなし。中央大では準硬式野球部に所属し、25年育成ドラフト8巡目でホークスから指名を受け、同部初のプロ入りを果たした。主に三軍戦に登板し、7試合で1勝1敗1セーブ、防御率1・80(5月3日現在)。













