主砲の沈黙は、白星発進の中でも消えない重い影となっている。ソフトバンクは1日の楽天戦(みずほペイペイドーム)に4―1で逆転勝ちした。先発・上沢直之投手(32)が7回1失点(自責0)の好投で3勝目を挙げ、栗原陵矢内野手(29)も本塁打を含む3打点と躍動。小久保裕紀監督(54)が「我慢の月だった」と振り返るように、4月は10勝12敗と苦しんだが、5月は白星スタートを切った。指揮官は「いい月にできるように」と前を向いた。
その一方で、気がかりなのが山川穂高内野手(34)だ。6試合安打のない背番号5は、この日も4打数無安打。連続無安打は2019年の自己ワーストを更新する30打席となってしまった。それでも小久保監督は「優勝するには必要な戦力。練習はそんなに悪くない。すぐに(一本)出そうな雰囲気はある」と説明。「スタメンでも当然使い続けている」と変わらぬ信頼を口にした。
プロ13年目の山川は、これまでも何度となくスランプや不振を乗り越えてきた。それでも〝30タコ〟の現実は重い。常に技術を軸に置き、余計な雑念を排除することに集中してきた鷹の主砲だけに「こうなるとヒットを出すのは本当に難しい」という言葉には苦しい胸中がにじんだ。それでも「必死にやっていくしかない。自分の信念を強く持った上で、投手と対戦していきたい」と絞り出した。
さらに「必ず立ち向かっていく」とも続けた上で「明日また練習して、絶対にヒットを出して。ここから絶対ホームラン王に返り咲いてやるっていう強い気持ちを持っている」。そう語って球場を後にした山川の言葉には、苦境の中で自らを奮い立たせるような熱がこもっていた。所信表明を現実に変えられるか。主砲の逆襲が、5月攻勢の鍵を握る。












