ヤクルト・丸山和郁外野手(26)が1日のDeNA戦(神宮)で、史上73人目&78度目となるサイクル安打を達成。6打数5安打1打点4得点という出色の打撃成績で、16―5の完勝劇にも貢献した。燕の快進撃は5月に入っても継続中。〝ブンブン路線〟で育てられた「持っている男」が、昨季最下位からのミラクル下克上Vの原動力になるかもしれない――。
大いに躍動した。この日の一戦に「1番・右翼」として先発出場した背番号4は、2回の第2打席で右前打、4回の第3打席で中越えの三塁打、5回の第4打席では2号ソロとゲーム序盤から大爆発。あっという間にサイクル達成の快挙に王手をかけた。
球場内の期待が高まる中、7回の第5打席に入った丸山は、相手右腕・マルセリーノの投じた外角へのスライダーを器用にとらえると、白球は風に流されながら相手左翼手の前で高くバウンド。打球処理がもたつく際に、一気に二塁を陥れる幸運にも助けられた一本となった。
試合後の池山監督は「サイクルヒットっていうと、オマケで私の名前も出てくるから良かったよ」とニンマリ顔。自身も現役時代の1990年8月23日の中日戦(神宮)で同記録を達成しているだけに、喜びもひとしおといった様子だった。
最後の一本が出そうで出ないからこそ、難しい同記録。リーチ状態から一発で一番欲しかった二塁打を〝ツモる〟勝負強さは、ルーキー時代から持ち合わせていたものだ。高津前監督時代の2022年9月25日のDeNA戦(神宮)。リーグ制覇に王手をかけていた一戦でサヨナラ打をマークしたのが、他ならぬ丸山だ。新人選手の優勝決定劇打はプロ野球史上初という快挙でもあった。
当時、二軍監督の職に就いていた池山監督は「丸山に対しては『思い切り振らせていこう』という方針で」〝ブンブン育成〟に取り組んでいたと語る。勝負強さと運にも恵まれ、サイクルを達成した瞬間を「まさかとは思ったけど、ああいう打球が飛ぶということは運が強かったというかね。そういうパワーを(球場の)皆さんが与えてくれたのだと思う」と目尻を下げながら振り返った。
球団で丸山以前にサイクル安打を達成したのは、21年9月18日巨人戦(東京ドーム)の塩見泰隆外野手(32)。同年にもヤクルトはリーグ制覇を達成しており、縁起もいい。
スイングすれば何かが起こる。スイングしなけりゃ意味はない――。ブンブン軍団の新核弾頭・丸山はミラクルVの使者となれるか。ここまでの快進撃が〝春の珍事〟ではなかったことを証明できる季節は秋しかない。












