主役不在のセンターで、若虎に重い宿題が残った。阪神は1日の巨人戦(甲子園)に3―5で敗れ、連勝は2でストップした。打線は終盤まで粘りを見せたが、先発の村上が5回5失点と試合をつくれなかった。
一方で、チームは26日の広島戦(甲子園)で死球を受け、左手首を骨折した近本光司外野手(31)を欠いている。不動のリードオフマン不在という大きな痛手の中、代わって中堅を任されたのが、3月に支配下登録を勝ち取った福島圭音外野手(24)だ。
この日は「2番・中堅」で出場し、5打数2安打。ただ、6回、8回の好機では一本が出ず、試合後は「また明日がんばります」と言葉少なに球場を後にした。
近本の穴を埋める存在として抜てきされた虎の背番号92だが、ここまでの道のりは平坦ではなかった。入団後は韋駄天として注目を集めたものの、藤川球児監督(45)就任直後の2024年のみやざきフェニックス・リーグでは走塁面で壁にぶつかり、悩みを漏らすこともあった。
転機となったのは育成3年目で迎えた今春の沖縄キャンプだった。「焦らなかったことが1番大きかったです。自分の気持ちに余裕を持ってできましたし、心の波をつくらないことを意識してやりました」。結果を求めるあまり空回りするのではなく、自分のリズムを崩さないことを大切にした。
ファームでは工藤隆人二軍外野守備走塁コーチ(45)の存在も大きかった。「僕としてはそんな雰囲気を出していないつもりでも、気持ちが落ちている時はわかるらしくて。ダメな時も声をかけてくれるのが本当にありがたかったです」と感謝する。
不動のリードオフマンの穴は簡単に埋まらない。それでも、福島にとっては自らの価値を示す大きなチャンスでもある。「チャンスを作って後のバッターに打ってもらえるのが理想的。打てない時も四球を選ぶことだったり意識しながらやりたいです」。はい上がってきた若虎が、次こそチームに流れを呼び込む。













