ソフトバンクはパ5球団との対戦がひと回りして、開幕から約1か月の戦いを終えた。開幕5連勝と最高のスタートを切ったものの、直近は3カード連続負け越しもあり13勝11敗の2位。ここまでの戦いを本紙評論家・加藤伸一氏はどう見るのか。開幕前からの注目点だった遊撃手争いについて、鷹が抱える〝ジレンマ〟にも言及した。

【インハイアウトロー・加藤伸一】春先はこの先、どういう戦い方をしていくかを絞り直す時期。今、必要以上に勝率に神経をすり減らす必要はない。昨年も春先に最大借金「7」まで落ち込んだが、そこからリーグ連覇を達成した。それを思えば、今年はここまでの戦いで慌てる必要もない。先発陣ではスチュワートが二軍調整となったが、この時期でよかったとも言える。シーズンは思うようにいかないことが大体7~8割。まだまだ時間もある中で、戦力の見極めをしていく必要がある。

 開幕前から注目された遊撃手争い。ここまでのスタメン出場の割合をみると今宮が11試合、野村が8試合、川瀬が6試合と分散している。それでも今宮が死球の影響でスタメンでなかった期間があると考えれば、今宮が現状のレギュラーと言えるだろう。プロ17年目の今季も好守でらしい存在感を放っている。首脳陣としても頼もしい限りだろう。

 その一方で、開幕前から正遊撃手候補に挙がっていた野村は打率1割5分と結果を残せていないが、私はこれを「不調」とはとらえていない。結果が出ていないのは「継続的に試合に出ていないから」だ。たまに試合に出て結果を残す、そんな都合のいいような人間はいない。今のように出たり出なかったりでは、安定した成績を残すことは難しいだろう。毎日3、4打席と立てばおのずと結果は出てくるはずだ。

 昨年、野村が試合に出始めたのは、今宮がケガをした5月以降。結局は昨年のうちに追い越しきれなかったと考えれば、現状控えに回るのは仕方ないだろう。今宮に何かあった時にいつでも出られるよう、去年のような準備はしておかないといけない。(本紙評論家)