待ち望まれる侍右腕の完全復調――。ソフトバンクの松本裕樹投手(30)が23日の西武戦(ベルーナ)で2セーブ目を挙げた。現在、昨季セーブ王に輝いた杉山が左手を骨折して離脱中。今春のWBCに出場した実績十分の30歳が代役1番手で指名されるのは当然だった。
結果は2点リードの場面で登場し、2安打1失点。12日に杉山が登録を抹消されて以降、セーブ機会が訪れるゲームは初めてだった。松本裕は11日の日本ハム戦(エスコン)以来、中11日での登板。間隔が空きすぎた影響は否めなかったが、それを差し引いても本調子にはまだ遠い状態だった。
開幕5連勝を飾ったチームはここまで13勝10敗。白星先行でセンシティブに映りにくいが、内情はブルペンに大きな不安を抱えている。昨季の救援防御率はリーグトップの2・42。松本裕が51試合で防御率1・07、藤井が51試合で同1・44、杉山が65試合で同1・82で、次点のヘルナンデスが42試合で同3・35だった。「勝利の方程式」を形成した藤井、松本裕、杉山の安定感は一目瞭然で、3人が数字を押し上げていた。すでに藤井が2月に右ひじを手術して今季全休が決定。そこに杉山離脱が重なり、盤石だった3枚のうち2枚を欠く事態がどれほど不穏な状況かは言うまでもない。
早々にオフを切り上げ、日本代表のために超速で仕上げた松本裕は今、懸命に状態を上げようとしている。責任感が人一倍強い右腕。ブルペン不安に直面する中、思うような投球ができない悔しさを誰よりも抱えているはずだ。柱がグラつけば、しわ寄せも多岐にわたり、全体がグラつく。チームに心理的余裕をもたらすには、中継ぎエースの完全復調が欠かせない。
24日に投手指名練習を見守った倉野チーフ投手コーチは侍右腕の現状と復調ポイントを次のように指摘した。「まだ自分が思い描いている本調子の状態ではないのかなと思うし、僕らもそう見ている。本来ならファウルになるべき球、空振りになるべき球が前に飛んでいるってところは、やっぱり向上していかないといけない点だと思う」。
松本裕が「真の姿」を取り戻した時、鷹に落ち着きが戻るはずだ。












