首脳陣の計算を大きく狂わせる背信投球となった。ソフトバンクは21日の西武戦(ベルーナ)に4―6で敗れ、連敗を喫した。これで3カード連続で初戦は黒星発進。オリックスが敗れたためリーグ同率首位はキープしたものの、後味の悪い敗戦だった。

 その最大の要因と言わざるを得ないのが、この日先発したカーター・スチュワート投手(26)だ。試合開始直後から連打に四球が絡み、あっという間に6失点。敵地でのカード初戦に臨むチームにとって、あまりにも流れをそぐ立ち上がりとなった。右腕は前回登板でも6四死球と本来の投球ができず、5回途中で降板。2試合連続となるマウンドでの体たらくに、小久保監督は「1回抹消して状態を上げないといけない。一軍での登板は次はない」と厳しい口調で二軍落ちを明言した。

 右腕にかけられた期待は大きかった。それだけに首脳陣の落胆も小さくない。宮崎春季キャンプで指揮官が右腕に課したのは「150イニング指令」だった。昨年のパ・リーグで規定投球回に到達したのは13人。イニングを投げること自体が難しい時代だからこそ、その言葉には期待の大きさがにじんでいた。日本ハムへ復帰した有原が抜けて生じた180イニングの〝穴〟。その穴埋め役として、常に最初に名前が挙がっていたのがスチュワートだった。

 昨年は故障でシーズンを全休。契約最終年でもあり、今季にかける思いは強い。それでも、ここまで4試合に先発して防御率は7・02。消化したイニングは16回2/3にとどまり、チームも本人も思い描いたようなスタートは切れていない。「150イニング」には早くも暗雲が立ち込める。倉野チーフ投手コーチは「もう少しうまくやらせてあげられたのかなと、僕の中ではすごく責任を感じている」と語った。

 鷹のチーム防御率3・33はリーグ3位で、盤石とは言い切れない。リーグ3連覇へ右腕の躍動は不可欠だっただけに、この異変をただの不調で終わらせられるかどうかが、今後を左右しそうだ。