ソフトバンク・杉山一樹投手(28)が信頼回復に向けて一歩を踏み出した。チームの守護神を任されている右腕は、11日の日本ハム戦(エスコン)後、自身の投球内容にフラストレーションをため込み、ベンチ内を殴打して左手を骨折。17日に首脳陣やチームメート、スタッフらに一連の行動を謝罪した。
禊が済んだわけではない。右腕は「信頼をもう一回、一から積み上げないといけない」とかみしめるように言った。小久保監督からは「自分がやったことの重大さに気づいてくれ」と諭されたという。
「チームスポーツなので、本当に幼稚な振る舞いだった」と猛省した杉山。取り返しのつかない事態に頭を抱えたが、時間を巻き戻すことはできない。なぜ起きてしまったのか、感情を抑えることができなかったのか。自分なりの反省を明かした。
「チームが勝てばOKというところを、もう一回、自分の中で再認識して投げられるようにしたい」
昨季からオスナの不振を受け、不在となったクローザーに定着。シーズン中盤に入った6月から守護神の座に就きながら、セーブ王に輝いた。
「去年はチームが勝てばOKという中でやっていた。でも、去年から今年を迎えるにあたって、それでは自分に〝甘え〟が出てしまうと思ったんです。今年は『絶対的な安定感』で試合を締めたかった。理想は3者連続三振くらい。後ろがグラつくと、やっぱりチームへの影響は大きい。それを身を持って分かった部分もあったので、上に行くためにも甘えが出るのが嫌だった。〝チームが勝てばOK〟とはとらえられなくなっていました」
開幕から7試合に投げて防御率9・00と不安定で、危なげなく持ち場を締めたのは9日の西武戦だけだった。3日のロッテ戦ではプロ初のセーブ失敗を喫し、チームは痛恨の逆転サヨナラ負け。この時も自身の投球に怒りを抑えられない行動を取っていた。8回117球を投げて無失点に抑えた上沢の白星が消え、チームも連敗。守護神として後ろのグラつきに責任を感じ続けていた。
信頼を失う行動が続いてしまったことは猛省するしかない。代償は大きかったが、クローザーとして「チームが勝てばOK」という基本理念に立ち返ることもできた。杉山なくして鷹のリーグ3連覇は難しい。
チーム内で最短復帰を望む声が多いのも事実だ。小久保監督は18日に「思ったより(手術した左)手が動いていた。抜糸が終わったらトレーニングできる」と今後の見通しを説明。来週末には投球練習を再開し、月末の実戦復帰を経て、来月上旬の一軍帰還を描くプランもあるようだ。
小久保監督は「この先の野球人生に、どうつなげていくかが大事になってくる」とも語っていた。杉山は今、その言葉をかみしめているはずだ。












