福岡移転後初のリーグ3連覇を目指すソフトバンクは、開幕から7勝2敗とスタートダッシュに成功した。常勝の礎はいつの時代も「投手中心の守り勝つ野球」。何より先発投手の安定が、その一丁目一番地と言っても過言ではない。ここまで先発に白星がついたのが6試合。クオリティースタート(6回以上、自責3以下)は7試合でリーグダントツの達成率77・8%。先発陣の防御率はリーグ唯一の2点台をマークする「2・25」と圧巻の数字だ。不安要素を抱える救援陣の防御率がリーグワースト2位の「4・56」という中、白星量産を支えている。

 WBCに出場した昨季MVPのリバン・モイネロ投手(30)が調整遅れのため一軍不在なだけに、強さが引き立つパフォーマンスと言えそうだ。6日に本拠地みずほペイペイドームで行われた投手練習を見守った倉野チーフ投手コーチも「先週は(仙台、千葉遠征で)外のグラウンドで厳しい条件が多かった中で、みんながしっかり投げ切ってくれた」と先発陣をねぎらった。

 上沢、松本晴、スチュワート、大関、徐若熙、大津で構成された開幕ローテーションに不安要素はない。だが、絶対エースのモイネロが一軍に帰還すれば、先発枠から誰か一人は漏れることになる。「ホークスの強さの秘訣って、いつの時代も競争意識だと思う」(倉野コーチ)。誰しもポジション死守に躍起だ。ハイレベルな競争が「先発の安定」を支えている。

 チーム内には交流戦までモイネロ不在を覚悟する声もある。それはエース左腕を万全な状態で一軍に帰還させるため。もちろん、一日も早い一軍合流は願ったりかなったりで、モイネロ自身もそのつもりで調整を進めている。チームの負けが込めば、良からぬ早期帰還を望む心理が働きがちだが、先発陣のアピール合戦がこのまま続けばその心配もない。

 開幕から先発安定で白星量産の価値――。万全の状態で帰還し、10月末まで無双するモイネロの絵が浮かび始めている。