〝不動の名手〟を越えられるか――。広島では球界屈指の守備職人と新人正二塁手候補によるポジション争いが、春季キャンプの大きな見どころとなりそうだ。ドラフト3位・勝田成内野手(22=近大)が、新人合同自主トレで軽快な動きを見せている。
身長163センチと球界でも最小クラスの体格ながら、実力は折り紙つき。近大では関西学生リーグの二塁手として6度のベストナインに輝き、通算打率は3割4分4厘。50メートル6秒台の俊足と抜群のボディーバランスを武器に、3年時からは日本代表にも選出された。走攻守三拍子そろった大学球界屈指の内野手だ。
近大時代のプレーを視察した侍ジャパンの井端弘和監督(50)や広島の新井貴浩監督(48)も、そのプロでの順応性に太鼓判を押す。担当の鞘師スカウトは「正直、あと10センチ身長があれば、各球団の1位候補になっていた可能性もある。それぐらい大学世代の二塁手としては飛び抜けていた」と評価。勝田自身も「1年目から試合に出て、活躍するのが短期目標」と語り、将来的には球界を代表する二塁手への成長を思い描く。
そんな〝玄人好み〟の22歳の前に立ちはだかるのが、2013年から22年まで10年連続でゴールデングラブ賞を受賞した名手、菊池涼介内野手(35)だ。大阪府出身の勝田は学生時代から菊池に憧れ、甲子園での広島戦に足を運んでは「好きなバウンドじゃなく、どんなバウンドでも捕る練習とか、そういうのを見て、それが今の自分にもつながっている」と語るなど〝見て盗んだ経験〟を明かしている。
二塁手の見せ場のひとつが、遊撃手や三塁手と連動して完成させる「6―4―3」「5―4―3」などの併殺プレーだが、勝田の送球の速さと正確さはスカウトの間でも「菊池レベル」と評されるほど。本人も「自信がある」と胸を張る。
4年目を迎える新井政権では、次代の主力育成が至上命題。菊池は年々先発機会こそ減っているものの、昨季も二塁で多くの試合にスタメン出場し、依然として一番手であることに変わりはない。
名二塁手が築いてきた牙城に、勝田がどこまで切り込めるのか。世代交代の行方を占う競争が、静かに、そして確実に始まっている。












