【昭和~平成スター列伝】新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」優勝決定戦(17日)はKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)がEVILを撃破し、劇的な初優勝を飾った。
来年1月4日東京ドーム大会で引退試合を控えるエースで社長の棚橋弘至は“最後の夏”で優勝こそ逃したものの「G1通算100勝」の金字塔を打ち立てた。歴代最多23回の出場で、通算101勝73敗8分けという前例のない突出した戦績は優勝にも匹敵する逸材ならではの快挙だった。
棚橋はG1で通算3度優勝を果たしており、初優勝は2007年。同年8月12日両国国技館で永田裕志と決勝戦を行い、初の栄冠を手にした。優勝戦決定トーナメントで、棚橋は真壁刀義、永田は中邑真輔を撃破しての優勝戦となった。
「4月に永田に敗れてIWGP王座を失った棚橋は慎重さを崩さない。顔面を蹴り上げ『来い! 棚橋』と絶叫した永田はまた裂きからキーロック。長期戦に持ち込もうとする。脱出した棚橋はキックの連打に耐え、ロープ越しのドラゴンスクリューからドラゴンスリーパーと畳み掛け、ミサイルキックを放つ。さらにスリングブレイドを放つが39歳の永田は『体力の化け物』だった。バックドロップ、雪崩式エクスプロイダー、垂直落下式ブレーンバスターからナガタロックⅡと勢いは止まらず、バックドロップを連打する。そして奇跡が起こった。もうろうとする意識の中、棚橋はドラゴンスクリュー。さらに4回転。完全にヒザが笑っている永田に飛龍原爆。カウント2.9だ。ヒザのダメージが大きく永田が立ち上がれないことを確認すると棚橋はロープ最上段へ。大きくジャンプして必殺のハイフライフローを爆発させる。19分2秒、ついに3カウントが入り、棚橋の勝利が告げられた。若きエースの初優勝、そして2001年の永田以来、6年ぶりとなる蝶野、天山以外のG1優勝者の誕生に場内は大爆発。新・夏男となった棚橋は『俺たちの時代でプロレスを爆発させます。両国の皆さん、愛してま~す』と絶叫。棚橋時代が幕を開けた」(抜粋)
その後の活躍は説明するまでもないだろう。IWGPヘビー級王座は8回の最多戴冠記録、数多くのベルトを巻き、G1も15年と18年に優勝を果たした。最後のG1を終えたエースは「ワガママ言ったかもしれないけど、G1、出て良かったと思います。過酷なG1で、自分が何者であるか、引退が決まっている人間であっても、俺はプロレスラーなんだって心の底から思いました」と総括した。
優勝は逃したが真夏の激闘の数々はファンの胸に深く刻み込まれた。引退まであと約4か月。ラストランに入ったエースの一戦一戦を最後まで見逃すことなく心に焼きつけたい。(敬称略)













