最大の狙いはあの男だった。侍ジャパン前監督で日本ハムの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(62)が、8日にソフトバンクの宮崎春季キャンプを訪問。王球団会長、小久保監督とそれぞれ会談した後に、城島球団会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーター(SC)と30分以上も言葉を交わした。

 前者の2人よりも長い会談時間が意義を物語っていた。「ジョーとはオフの時にいろいろ連絡を取り合っていた」。城島SCは今年から主にファーム部門を統括する立場となり、未来の主力育成に本腰を入れる要職に格上げされた。ヒザを突き合わせて話をする機会を求めていた中で実現した会談だった。

 栗山氏は「ジョーもいろいろあったんで話をした。(小久保監督とともに)あの2人が力を合わせて、王会長の下でやろうというのは僕らも楽しみ」と鷹の〝潮流〟の変化を熟知。その上で「ジョーがどういう立場でやるのか。これからはユニホーム(組)も大事だけど、フロント側がどういう権限を持って、どういうふうにやっていくかっていう形がすごく重要。今から10年たったら(システムが)全て変わってると思うので、そういう意味ではジョーの今の立場を含めて確認したかった」と意図を明かした。

 まさにホットラインの強化だった。ホークス内で存在感を増す城島SCが「王イズム」の継承者として、ソフトバンクの未来を描く人物であることは確か。ライバル球団のフロントマンであると同時に、新しいプロ野球界をつくり上げる上でも横のつながりは必須だ。

「球団間で〝電話一本〟でつながる関係性は極めて重要で、お互いにとってプラス」(ソフトバンク関係者)。トレード案件、球界改革などで足並みをそろえる際に話が通じる存在は貴重だ。栗山氏は前日7日にオリックスキャンプも訪れ、メジャー球団への留学経験がある中嶋監督とも意見交換している。

 かねて温められてきた「栗山―城島会談」の実現は日本ハム、ソフトバンク両球団のみならず、球界内で大きな注目を集めそうだ。