ソフトバンクは10日の巨人戦(ペイペイ)に6―10の大敗を喫した。投手陣が13安打3被弾と打ち込まれ、12安打2発で応戦した打線の追い上げ及ばず連勝とはならなかった。

 鷹党にとってはフラストレーションのたまる試合、たのもしい3戦連発が一服の清涼剤となった。交流戦に入り、打撃好調の近藤健介外野手(29)が7回に3試合連続となる8号2ラン。一時2点差に詰め寄る一発に、本拠地が沸いた。

 右中間スタンド席への飛距離十分のアーチ。「自分のバッティングをすることだけを考えた。いいスイングで完璧に捉えることができた」。劣勢の展開であきらめない姿勢を打球に込めた。

 この日は初回の第1打席にも中堅フェンス直撃の二塁打を放った。4打数2安打で、今季一時2割3分2厘まで落ち込んだ打率は2割7分3厘まで持ち直した。五輪イヤーとなった一昨年から打撃の意識が変わった。

 通算打率3割を超える巧打者は、より長打を求めるスタイルで打撃改造に着手。本拠地にホームランテラスのあるソフトバンク移籍で、その青写真はさらに広がった。54試合目で昨季の8本塁打に並んだ。自己最多は2021年の11発。3戦連発は2シーズンぶりだった。前半戦だけでキャリアハイに届きそうなペースで打撃の進化が結実しようとしている。

 自身が描く打撃スタイルをブレずに追い求めてきた。結果が出なければ迷いが生じるものだが、信念を貫き新境地開拓に邁進。近藤が日本ハム在籍時から師と仰いできた長谷川打撃コーチは「スイングに柔軟性が出てきた。点で打ってたところが、少し幅が出てきた。力強い打球を打ちたいと思って今シーズン入ってきた中で、インパクトを強く求めるあまり点になっていたところが少しずつほぐれてきた。長くインパクトできる形になって(新たな取り組みと並行して)去年までの形に戻ってきている。こっから先は大丈夫」と復調メカニズムを解き、完全体に太鼓判を押す。

 鷹の覇権奪回に不可欠な近藤の打棒。空砲も、たのもしすぎる弾道が勇気を与えた。