巨人は20日のヤクルト戦(東京ドーム)に5―4で逆転勝ちし、8月16日以来となる3位に浮上した。首位を走るツバメに一矢報いたのは、お家芸となった一発攻勢だった。岡本和真内野手(26)の29号ソロを含め、チームの本塁打数は12球団トップの「161発」。15年ぶりに「20発クインテット」まで完成した背景には〝ヤマ張り指令〟の影響もありそうだ。
本拠地最終戦は最後までしびれる展開となった。わずか1点リードの9回は、ドラフト1位守護神・大勢がどうにか無失点で抑えて35セーブ目をマーク。東京ドームでは1988年の開場以来、初めてとなる2年連続の負け越しの屈辱も味わったが、何とか最後を白星で飾った。
それも打線の奮起があったからこそだ。3回までに2点差を逆転し、3―2の4回にはポランコの24号ソロ。再び1点差に迫られた直後の6回には岡本和に豪快な一発が飛び出して振り切った。これで岡本和は5年連続の30発超えに王手。長引いた不振で8月中旬から4番を外れているが「もう何とかCSに、という思いでやっているので。あまり意識はしないように考えたいんですけど、しっかりチームのために打っていきたい」と力を込めた。
チームとしてはこの日の2発で「161発」。「160発」のヤクルトより4試合多く消化しているが、巨人の大きな武器はどこからでも一発を狙える点だ。29発の岡本和を筆頭に丸が28発で続き、ポランコが24発、中田とウォーカーが23発で並ぶ。20発以上が5人も揃うのは実に15年ぶりだ。
その〝原点〟は、今季のチーム方針を確認し合った1月のスタッフ会議も影響していると言えそうだ。その口火を切ったのは、阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ(43)だった。
「『野手も投手ももっとヤマを張ってほしい』と言った。ヤマを張って失敗することももちろんある。あるんだけど、ヤマを張って勝負に勝った時が一番選手の自信につながるんですよ。打者は大ヤマを張って打てると、自信になる。そういう勝負をしてほしいと言った。(昨季は)ただ漠然と〝打つんだ〟と打席に立っている人が多いように見えたから」(阿部コーチ)
当然、読みが外れた場合のリスクとは隣り合わせだ。ベンチからの指示もある中ではあるが、一発を狙うにしてもコースや球種を絞ってみたり…。自分なりに試行錯誤しながら得た経験は、何物にも代えがたい今後の財産になるのだという。
打線のつながりが欠けるケースもあるが、今月は14試合で27発とアーチを量産。9勝4敗1分けと白星を先行させる原動力となっていることは間違いない。
残りは7試合。原監督は試合後の本拠地最終戦セレモニーで、4万人超の観衆に向けて「1試合1試合ベストを尽くして最後の最後まで戦い抜きます」と約束した。重量打線がいかに爆発するかがチームの命運を握る。












