シーズン2位の阪神が3位の巨人に敗れ、2連敗でCS敗退が決まった。今季は序盤のペナントレースをけん引し、終盤は最後までヤクルトと激しい優勝争いを展開。にもかかわらず、最終的に勝率5割を切った巨人に足元をすくわれた。

 短期決戦において、チームの弱点が致命傷になってしまった。2回に2点を先制するも、直後の3回無死から遊撃・中野の失策をきっかけに、先発・青柳が3連打を浴び1点を返される。なおも二死満塁から丸に逆転2点適時打を浴び、3―2とあっさり逆転を許した。

 試合を決定づけたのも守備から。8回、今度は三塁手・大山の失策から一死二、三塁とされ、最後は守護神・スアレスからウィーラーに中堅へ犠飛を放たれ、勝負あり。投手陣はこの日、4失点も自責0。矢野燿大監督(52)も「結果的にはミスというか、そういうところで流れを変えてしまった」と終戦を力なく受け入れた。

 12球団一の77勝を積み上げた今季、CSの結果のみですべてを〝否定〟する必要はない。とはいえ、課題として消えていないのが失策数だ。昨年120試合で85個の失策数は今季143試合で86個。進歩の足跡がある一方で、4年連続12球団ワーストでもある。

 そんなこともあって現在、検討されているのが今春のキャンプで臨時コーチに招いた川相昌弘氏(57=評論家)の〝再登板〟プランだ。矢野監督就任以降、球団は外部からの招へいにも積極的で、これまでも元中日の219勝の名球会左腕・山本昌氏を2019年秋→20年春と臨時コーチとして迎え入れ、その指導が一過性のものとならない工夫も施した。

 正式オファーの運びとなれば、昨年の招へい時と同様の手順を経てお伺いをたてるが、虎の再度の〝ラブコール〟を受けるか否かは、川相氏次第。いずれにしろ、来季はV達成も積年の課題克服も、待ったなし。もう一度、外部からの視点に頼ることも視野に猛虎は巻き返しに思考を巡らせる。