日本野球機構は審判員に対する暴言で退場処分となった阪神・森下翔太外野手(25)に、厳重注意と10万円の制裁金を科したと7日に発表した。今回の退場について藤川球児監督(45)は表立って責めることはなかった。一方、チームの若手や控え選手のミスには厳しい対応も見られてきただけに、球界OBからは警鐘も鳴らされている。

 発端は6日の楽天戦(甲子園)だった。1点リードの5回二死一塁の場面で打席に立った森下はカウント1―2から空振り三振に倒れた。初球、3球目のストライク判定にも不服そうな表情を浮かべ、凡退してベンチに下がる際に真鍋球審にジェスチャーを交えて口論のような形となり、プロ4年目で初の退場を宣告された。

 この日の楽天戦が雨天中止となった森下は「チームに迷惑をかけてしまったので、切り替えて頑張ります」と反省。藤川監督は「森下選手がプロ野球史上初めてグラウンドで退場になった選手ではない。制裁はしっかりとチーム、監督として引き受けて。常に明日は来るわけですから。過去を見ることはないですね」と話した。

球審への暴言で退場になった阪神・森下翔太(6日)
球審への暴言で退場になった阪神・森下翔太(6日)

 ただ、その対応を巡っては厳しい視線も向けられている。OBの一人は「主力に嫌われたくないという気持ちは分かる」と前置きした上で、こう指摘した。

「佐藤(輝明)や森下に甘いなと感じる。その2人に嫌われたらチームが勝てなくなるのは分かっているんだろうけど。そういう空気が他の選手に伝わると士気が下がるし、監督を勝たせたいという気持ちも薄れる。言うべきことは言わないとチームはまとまらない」

 チーム内ではミスに対して厳しい断が下されてきた。3日の西武戦(甲子園)で失点に絡む失策を犯した小幡は翌4日に出場選手登録を抹消。さらに、今季育成から支配下登録を勝ち取った福島もサインミスが複数回あった後、5月30日に二軍降格となった。

 一方、森下は凡打を放った後の走塁だけでなく、審判に対する態度を疑問視されることもあった。今回は退場処分にまで発展したが、虎将が公の場で厳しい言葉を向けることはなかった。

 もちろん、チームの勝敗を背負う主力を萎縮させないための配慮も必要だ。昨季の森下は全試合出場を果たし、キャリア最多の23本塁打、89打点を記録。セ・リーグ連覇へ不可欠な戦力であることは間違いない。ただ、主力と控え選手との対応に〝温度差〟があると映れば、不協和音を生みかねないと危惧しているわけだ。

 猛虎軍団をどう束ねていくのか。藤川監督の手綱さばきにかかっている。