祭典のマウンドで、巨人の鉄腕が〝遊び心〟まで投げ込んだ。「マイナビオールスターゲーム2026」第1戦(28日、東京ドーム)で、全セの5番手として6回から救援登板した巨人・田中瑛斗投手(27)が、1回1安打無失点。自身初の球宴でリリーフエースの意地を見せつけた。

 古巣・日本ハムの新庄監督ばりの、粋なサプライズだった。マウンドに上がった田中瑛が帽子のつばを力強くめくり上げると、裏には「シュートいきます♡」の文字。ベンチで見守った巨人・橋上監督代行も笑いをこらえきれない中、まさかの〝予告シュート〟を実行した。

場内を爆笑させた巨人・田中瑛斗の「シュート」予告
場内を爆笑させた巨人・田中瑛斗の「シュート」予告

 先頭は日本ハム時代の同僚レイエス。ただ、メッセージが伝わったかどうかは定かではなく、2球目のシュートを鮮やかに左前へ運ばれた。それでもソフトバンク・栗原を空振り三振。最後は西武のネビンを三ゴロ併殺に仕留めると「やったー!!」とガッツポーズを繰り出し、雄たけびを上げた。

 現役ドラフトで巨人に移籍した昨季は自己最多の62試合に救援登板し、37HP、防御率2・13と才能を開花。今季もリーグ最多の39試合に登板し、同トップタイの28HP、防御率1・64をマークしている。どんなピンチにも強気で向かう勝負強さが武器だが、そのチャレンジ精神は〝親譲り〟のようだ。

古巣・日本ハム勢と旧交を温める巨人・田中瑛斗(中)
古巣・日本ハム勢と旧交を温める巨人・田中瑛斗(中)

 田中瑛は「父はもう現役バリバリの年代ではないんですが、それでもホテルや飲食店などの新規事業に今でも挑戦している。舞台は違いますが、いくつになっても新しいことに挑戦し続ける姿は、かなり刺激になりますね」と、〝生涯現役〟でビジネスを展開する父・精一さんへの敬意を告白した。

 野球少年だった息子の練習に全力で付き合うため、転職すら辞さなかったという父。その熱血指導を受け、悲願のプロ入りを果たした田中瑛は、初出場の野球の祭典でも父譲りの挑戦心を遺憾なく発揮していた。