最強左腕の行方は…。ワールドシリーズの3連覇に向けてばく進するドジャースが、タリク・スクバル投手(29=タイガース)をトレードで獲得するとの情報が米メディアで連日報じられている。

 スクバルは5月上旬に右ヒジの関節遊離体を除去する手術を受け、今月からリハビリ登板を開始。当初は復帰までに3か月程度を要するとみられていたが、驚異的なスピードで回復を見せている。ただ、チームは地区の優勝争いから脱落し、2年連続でサイ・ヤング賞に輝いたスクバル自身が今オフにFAとなる見込みで、8月上旬の期限までにトレードされるともっぱらだ。

 その有力候補には資金力が豊富なドジャースが常に挙げられているが、チームは地区首位を独走。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は14日(日本時間15日)、「ドジャースは必ずしも新たな先発投手を必要としているわけではない」と前置きした上で「この投手陣をスクバルがさらに高いレベルへと引き上げるだろう」と占った。

 実績十分のスクバルは間違いなく大きな戦力として見込めるものの、緊急性が少ない補強に乗り出す理由は何か。米スポーツ専門局「ESPN」のブラッドフォード・ドゥーリトル記者は、自軍の補強だけにとどまらない思惑があると指摘している。

「ドジャースは自チームの戦力強化だけでなく、他の優勝候補の足を引っ張るという意味でもトレード市場で『邪魔者』の役割を果たすことができる。スクバルはドジャースの3連覇の望みに必須の存在ではないかもしれない。しかし、ドジャースがスクバルを獲得し、他球団が獲得できなければ彼らの優勝確率はさらに高まるだろう」

 トレード市場に打って出るだけでも抜群の資金力を背景に市場価格を高騰させられ、獲得に至れば同時に他球団の戦力をそぐ形となる。ライバル球団に大きな戦力を渡してしまうくらいなら自軍に引き入れ「一強体制」をより盤石にしてしまおうというわけだ。

 もっとも、スクバルの獲得に関心を示すとされるのはドジャースだけではない。同誌はこの〝裏の狙い〟について「ドジャースがスクバルを獲得するメリットは多くあり、デメリットはほとんどない。唯一のデメリットといえば、獲得にかかる費用と数か月後にFAとなりチームを去る可能性があるという点だろう」としたが、果たしてどうなるか。