桜美林大が首都大学春季リーグ9季ぶりV 「悪影響の選手」がヒーローになるまで

2021年06月03日 08時00分

優勝を決め喜ぶ桜美林ナイン(写真中央が七井)

 優勝の陰に元ヤンチャ副主将の存在があった――。桜美林大が先日、2016年秋以来、9季ぶり2度目の首都大学野球春季リーグ戦優勝を決めた。立役者となったのが副主将の七井祐吏内野手(4年)。實川淳之介助監督が「主将の松江京が不在のなか、七井がよくやってくれました。ヤンチャな七井が、こんなに更生したのが不思議なんですよ」と首をかしげるほどの働きぶりだった。

 東海大、帝京大の3校が同率(6割=6勝4敗)で並び、決勝トーナメントで争われる大激戦。さらにチームの精神的支柱である主将の松江が教育実習のため不在に。そんな窮地のチームを牽引したのが代理主将を任された七井だった。

 名門の栃木・作新学院出身の七井は大学入学後、なかなか勝てないチーム状態に「高校時代の栄光とのギャップでやる気がなくなってました」と振り返る。次第に遅刻やさぼりを繰り返し、グラウンドから足が遠ざかった。奇抜な髪形や服装をし、注意する實川助監督に反抗的な態度をとり、心もすさんでいった。

 しかし松江主将は周囲の反対を押し切り、昨年11月の新チーム始動時に七井を副主将に指名。その理由を「悪影響の選手なんですけど悪影響の影響力が大きかった。七井がいい方向に進んだら間違いなく強くなるなと思ったんです」と明かす。

「七井と似たような選手に寄り添ってあげるという仕事をしてもらった」(松江主将)とバラバラだったチームをまとめあげた。

 七井の心を変えたのは両親の言葉。父の伸之さんと母の清子さんから「自分がチャランポランにやってる時も『一回ぐらいはユニホーム着てる姿みたい』と言われてた。それがずっと自分の中にあったんです」と話す。

 7日に開幕する全日本大学野球選手権への初出場も決め「神宮球場でユニホーム姿を見せられることがモチベーションになってます。更生するまで怒ってくれた實川助監督には感謝してます」。七井の更生のきっかけは両親の言葉と實川助監督の愛の説教だったようだ。

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