ノーヒットノーランの瀬戸際から、わずか一イニングで景色をひっくり返した。DeNAは28日の中日戦(横浜)に4―2で逆転勝ちし、2連勝。3位死守へ、土壇場で底力を見せつけた。

 相手先発の高橋宏に7回まで無安打に封じられ、2点を追う絶体絶命の展開。しかも7回二死までは一人の走者も出せず、四球で完全試合こそ阻止したものの、なおノーヒットノーランの〝悪夢〟が目前に迫っていた。それでも8回先頭の佐野が中前打を放ち、快挙を阻止。高橋宏は直後に右手の指がつるアクシデントで降板し、ここから打線が一気に牙をむいた。

 二死満塁まで攻め立てると、度会が自身初となるシーズン100安打到達の右前2点適時打で同点。続く牧が中堅フェンス直撃の2点適時二塁打を放ち、一気に試合をひっくり返した。相川亮二監督(50)は「苦しい展開の中、みんなが諦めず最後の最後にああいう攻撃ができたというのは本当に執念だった」とナインをたたえた。

 くしくも球団はこの日、公式SNSでシーズン後半戦の新スローガン「限界のその先へ。」を発表した。残り27試合。チーム内からも「シーズン終盤は体力的な部分だったり、疲労感っていうところで必ず苦しさを増す。いい結果を残すにはそれを乗り越えていかないといけない。チームも決していい状態とは言えないので、身が引き締まる思いです」と声が上がる。

 実際、3位争いは息を抜けない。28日は4位ヤクルトも勝ったため1・5ゲーム差は変わらず、最下位・広島とも3・5ゲーム差。ひとつの勝敗で順位が大きく動きかねない大混戦だ。

 しかも9月は23試合中21試合が屋外開催。8日のヤクルト戦(横浜)からマツダ遠征を挟む8連戦、17日のヤクルト戦(神宮)から甲子園遠征をはさむ7連戦と、移動を伴う大型連戦が2度も待つ。酷暑の名残に加え、ここまで蓄積した疲労とも戦わなければならない。

 ノーノー寸前からの劇的逆転は、新スローガンの船出としては出来すぎの一勝だった。だが、本当の「限界のその先」はここから。〝酷日程〟を耐え抜いた先に、CSへの道が開ける。