もはや「復調」ではない。ボストンが、メジャー最強の座をのみ込もうとしている。レッドソックスは6日(日本時間7日)現在、7連勝で62勝51敗。ア・リーグ東地区首位レイズに5・5ゲーム差まで迫り、ワイルドカード圏をがっちり確保した。32勝46敗から直近35試合で驚異の30勝5敗。7月22日(同23日)のオリオールズ戦では1946年に並ぶ球団最多タイの15連勝を達成した。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、この35試合を球団史上最高の成績と紹介。1903年以降、35試合で30勝5敗以上を記録した過去25チームは全てポストシーズンに進み、うち10チームがワールドシリーズを制したという。もはやボストンは一時的な好調ではなく、「世界一」の裏付けを持つ有力候補だ。

 そこへ3日(同4日)のトレード期限に、同地区オリオールズからアドリー・ラッチマン捕手(28)が加わった。3度のオールスター選出を誇るスイッチヒッターは今季67試合で打率2割5分1厘、8本塁打、47打点。左手首の炎症で故障者リスト入りしているが、すでにバットを振り始めている。

 今季のボストン捕手陣はラッチマン加入前まで打率2割1分9厘、OPS6割1分5厘、4本塁打と攻撃面が弱点だった。そこを球界屈指の捕手で一気に埋めたのだから、補強効果は絶大だ。本人も「この街は野球が大好き。正しいやり方で野球をしている。できる限り貢献したい」と新天地への思いを口にした。

 打線では吉田正尚外野手(33)も今季打率2割6分5厘、5本塁打、23打点で厚みを支える。ラッチマンが打線に加われば左右両打席を使える中軸候補が増え、相手投手に応じた起用の幅も拡大。吉田の競争は激しくなる一方、勝負どころで求められる一打の価値はむしろ高まる。

 救援陣にはエリック・ミラー投手(28)、外野にはイーライ・ホワイト外野手(32)も補強。ローマン・アンソニー外野手(22)やギャレット・クロシェ投手(27)の復帰も見込まれる。歴史的快進撃の最中に弱点を埋め、なお戦力が戻ってくる。レッドソックスは今、ポストシーズン進出を狙う側から、世界一を追われる側へ変わりつつある。