巨人元監督で評論家の堀内恒夫氏(78)が6日、自身のブログを更新。5日の広島戦(マツダ)自身初の10勝をマークした巨人・井上温大投手(25)をたたえると同時に、今季1完投の左腕に完投投手を目指すように求めた。

 堀内氏は「先発ピッチャーにはどんなに時代が変わろうとも『完投する』ことを目指してもらいたい。こだわってもらいたいんだ」と投手の分業化が進むなか、あえて完投を期待した。

 そのうえで「その理由の1つに沢村栄治さんの存在がある。皆さんご存じの『沢村賞』は沢村栄治さんの功績をたたえて読売新聞社が制定した、その年に最も活躍した完投型先発投手に与えられる名誉である」とつづった。

 沢村賞選考委員長を務める堀内氏は「その歴史は、メジャーリーグの『サイ・ヤング賞』よりも古い。沢村さんは巨人軍の宝であり偉大な先輩である。完投するものがいなくなれば賞の存続も問わなくてはいけなくなる」と危機感を募らせた。

 続けて「人間は楽な方に体が慣れる生き物だ。投げる球数が減ればどんどん投げられなくなっていく。だから、投げなくちゃいけないのだよ。
自分の肩を使っているんだ。1球1球大切にね。投げれば、ボールが手についてくる。だから、コントロールできるようになる」と完投を目指すメリットを挙げた。

 もちろん本場メジャーでも完投投手は絶滅寸前なのは承知している。「とは言えそもそも『完投する』というピッチャーとしての生きざまが化石となっていくのかもしれないな」と理解は示しつつも「でも、俺としてはあの世で長嶋茂雄さんに再会するまでは完投にこだわって声をあげていきたいんだ」と覚悟のほどをつづった。

 今年から沢村賞の選考基準が「10完投→8完投」、「200イニング→180イニング」に〝下方修正〟された。それだけに「後輩たちよ、頼みましたよ!」と堀内氏は現役投手に奮起を促した。